アニメ映画 関連データ

「打ち上げ花火~」公開記念SP 放送日程

※ 映画の番宣番組。各地域ごとに放送日時が異なる ※

放送日 放送局 放送時間
2017.08.11 テレビ熊本 10:50~11:20
テレビ岩手 10:55~11:25
読売テレビ 25:47~26:17
テレビ宮崎 25:47~26:17
日本海テレビ 26:15~26:45
2017.08.12 秋田テレビ 16:00~16:30
石川テレビ 25:15~25:45
南海放送 26:30~27:00
2017.08.13 山梨放送 13:00~13:30
福島放送 14:50~15:20
テレビ新潟 16:55~17:25
2017.08.14 テレビ信州 25:59~26:29
2017.08.16 青森テレビ 15:20~15:50
北日本放送 25:29~25:59
鹿児島テレビ 25:45~26:15
高知放送 25:54~26:24
テレビ新広島 25:55~26:25
ミヤギテレビ 26:59~27:29
2017.08.17 福井放送 15:50~16:20
山口放送 25:24~25:54
静岡第一テレビ 25:34~26:04
中京テレビ 25:50~26:20
テレビ西日本 26:25~26:55
2017.08.18 長崎放送 25:22~25:52
札幌テレビ放送 27:02~27:32
2017.08.19 岡山放送 25:15~25:45
2017.08.20 さくらんぼテレビ 08:30~09:00
2017.08.22 テレビ大分 15:50~16:20
2017.08.25 琉球朝日放送 16:00~16:30
番組関連記事

『岩井俊二監督の名作『打ち上げ花火』劇場アニメ化 声優に広瀬すず・菅田将暉・宮野真守 』

映画監督・岩井俊二氏の名を世に知らしめた名作ドラマ
『打ち上げ花火、 下から見るか?横から見るか?』 (フジテレビ 1993年)が劇場アニメ化され、
来年8月18日に公開されることが明らかになった。声優に広瀬すず(18)、菅田将暉(23)、宮野真守(33)を起用し、
傑作が20年以上の時を経て生まれ変わる。

岩井氏が監督を務めた原作ドラマは“繰り返される夏の一日”の恋の奇跡を描いた物語。
夏休みのある日、花火大会をまえに「花火は横から見たら丸いのか? 平たいのか?」の答えを求め、
町の灯台から花火を見ようと計画する少年達。一方、クラスのアイドル的存在・及川なずなに想い寄せる島田典道は
時間が巻き戻る体験のなか、なずなから「かけおち」に誘われる。
何度も繰り返す一日のなか、なずなと典道を不思議な運命が待ち受ける。

声の出演は、なずな役を広瀬、典道役を菅田が担当。
また、典道の恋敵となるクラスメイト・安曇祐介役を宮野が務める。
アニメ声優を務めるのは、広瀬が『バケモノの子』(15年)以来2度目、菅田は今作が初挑戦となる。

また、脚本には『モテキ』(11年)、『バクマン。』(15年)を手がけた大根仁氏を起用。
総監督はアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』シリーズ、『<物語>シリーズ』などで知られる新房昭之氏、
アニメーション制作はシャフトと、スタッフにも充実の布陣が顔をそろえる。

声優初挑戦となる菅田は「ずっと声のお仕事をしたいと思っていたので、
今回念願の初チャレンジ、興奮しました」と熱くコメント。「そしてやはり声優さんの凄さを実感しました。
色んなテクニックを他のキャストの方々に教わりながらの時間は、公園デビューを果たした赤ん坊のような
新しい刺激と快感が止まりませんでした」と新境地への充実感をにじませた。

一方、ヒロインを演じる広瀬は「なずなは、言葉にはなっていないけれど、秘められた想いを抱えていて、
凄く繊細な印象を受けました。あんまり掴み所がないんだけど大人っぼさもあり、子供っぽさもあり、
目の前にいるのに触れられないような…」となずなの人物像を語った。

そんな新進の“若手”2人と共演した宮野は「収録では、広瀬さんと菅田さんがとっても素晴らしくて、
お2人のフレッシュなオーラに、終始キュンキュンしながらも、同級生として演じる自分も、
気合いを入れて若づくりを頑張りました(笑)」と刺激にあふれた現場であったことを明かしている。

(2016年12月8日 オリコン)

『広瀬すず&菅田将暉、公開アフレコに緊張しきり「手汗がすごい』

俳優の広瀬すず、菅田将暉が25日、都内スタジオで劇場アニメ『打ち上げ花火、下から見るか?
横から見るか?』(8月18日公開)の公開アフレコを行った。
大勢の報道陣を前にしてマイク前に立った2人は終始緊張しきりだった。

多くのフラッシュを浴びた広瀬は「手汗がすごい。緊張してます」とぎこちない笑顔。
今作でアニメ声優に初挑戦した菅田も「地獄とまでは言わないけど、エンターテインメントの世界である種、
未完成のものを見せることがない。どうしたらいいのか」と初々しい表情を浮かべた。

アフレコ中も「(緊張で)ガチガチだね」と笑い合い、NGを出し“公開ダメ出し”を受けた菅田が
「今後このようなことがないよう反省します!」と若手らしくハキハキと返答する一幕も。
無事に終えると、広瀬は「新感覚でした」と白い歯を見せ、菅田も「なんか裸なのに
服を着ていますみたいな顔をしてなきゃいけないような恥ずかしさがあった」と照れ笑いしていた。

映画監督・岩井俊二氏の名を世に知らしめた名作ドラマとして知られる同作は、1993年に放送され、
95年に劇場公開もされた。とある海辺の町を舞台に、夏休みの花火大会の前、
クラスのアイドル的存在・なずなに思いを寄せる男子中学生・典道が、
時間が巻き戻る不思議な体験に巻き込まれていく、“繰り返される夏の一日”の恋の奇跡を描くラブストーリー。

収録時の秘話に話題が移ると広瀬は「菅田さんとは初共演。どんな雰囲気なのかなと思って、変に力が入りました。
お互いが正面を向いて演技するわけではないからドギマギしてましたけど、
そこに宮野(真守)さんがいてくださって心強かったです」と回顧。菅田も「この役はオーディションだった。
勝ち取ってやったぜという感じ。瑞々しい中学生役もいまやっておかないと、後々できなくなる。
大先輩の2人が助けてくださったのですごい楽しかったです」と充実感をにじませた。

共演した声優の宮野は「フレッシュでしたね。2人が発するピュアなオーラと一緒にお芝居ができる喜びを
感じていました」と2人の声優ぶりを絶賛し「ぜひ、アニメーションの世界へおいでませ!」とラブコールを送っていた。

(2017年5月25日 オリコン)

『松たか子、「アナ雪」以来の声優出演 岩井俊二監督の名作「打ち上げ花火』

女優の松たか子(40)が、岩井俊二監督の傑作ドラマを劇場アニメ化する
『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』(8月18日公開)で声優を務めていることが11日、わかった。
岩井監督・脚本『四月物語』(1998年)で鮮烈な映画初主演デビューを飾り、みずみずしい女学生を演じて注目された松が、
時を経て岩井作品原作のアニメーション映画に、ヒロインの母親役で参加する。

脚本は『モテキ』『バクマン。』の大根仁氏が担当し、“繰り返される夏の1日”の、恋の奇跡を描くラブストーリー。
総監督は、社会現象化したアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』の新房昭之氏が務め、
ヒロインを広瀬すず(18)が演じるほか、菅田将暉(24)、宮野真守(34)の出演が発表されていた。

岩井監督の名を世に知らしめるきっかけとなったドラマは、1993年に放送され、95年に劇場公開もされた。
とある海辺の町を舞台に、夏休みの花火大会の前、クラスのアイドル的存在・なずな(声:広瀬)に
思いを寄せる男子中学生・典道(菅田)が、時間が巻き戻る不思議な体験に巻き込まれていく。

松が演じるのは、なずなの母親役。母親の再婚によって転校することになったなずなは、再婚に反発し、
駆け落ちを企て典道を誘う。繰り返す夏の1日の中で、恋と冒険を繰り広げる2人にとって大きな壁となる存在だ。

松のアニメーション映画への参加は、『ブレイブストーリー』(06年)の主人公・ワタル、
大ヒットを記録した『アナと雪の女王』(13年)のエルサ役があり、
声優を務めるのは『アナと雪の女王エルサのサプライズ』(15年 ※『シンデレラ』と同時公開の短編映画)以来となる。

オファーを受けた松は「私でいいんでしょうか?と思いましたが、岩井さんのストーリー、大根さんの脚本は
まさに『青春!』で、新しい作品の小さな力になれたら、と思い受けさせていただきました」と出演を決意。
声優は慣れたものかと思いきや、「アニメーションに描かれたキャラクターとどこまでひとつになれるのかが、
難しいです」と苦労をにじませ、「なずなが家を出て行きたくなるような母親になれれば…と。
でも、どこか似ている母娘の姿が伝わったら、と思い演じました」とコメントを寄せた。

新房総監督は「松さんの圧倒的な存在感に驚きました」と感嘆し、
川村元気プロデューサーは「『四月物語』における松たか子さんの印象が鮮烈で、
今回岩井作品を原作とするにあたり、ぜひ参加していただきたいと思いました」と起用理由を説明。
「僕自身は映画『告白』以来の松さんとのお仕事でしたが、
新しい表現を魔法のように繰り出す松さんに今回も圧倒されました」と絶賛している。

そのほか、なずなたちのクラスの担任・三浦先生役で花澤香菜(28)、クラスメイトの純一を浅沼晋太郎(41)、
和弘を豊永利行(33)、稔を梶裕貴(31)と、人気声優たちの出演が発表された。

(2017年6月12日 オリコン)

『岩井俊二が「打ち上げ花火」幻のエピソードを小説化、大根仁のアニメ版小説と同時発売』

劇場アニメ「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」の関連書籍が、本日6月17日に2冊同時発売された。

本作は、岩井俊二による同名ドラマをもとにした作品。大根仁が脚本を手がけ、新房昭之が総監督を務めた。
夏休みの花火大会を前に、クラスのアイドル的存在・なずなに思いを寄せる男子中学生・典道が、
時間が巻き戻る不思議な体験に巻き込まれていく。

このたび発売されたのは、ドラマ版で映像化されなかったエピソードを岩井が自ら再構築した書き下ろし小説
「少年たちは花火を横から見たかった」と、大根が映画をノベライズした「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」。
前者には本編のあとに「短い小説のための長いあとがき」が記され、本作品にまつわる創作秘話が明かされている。

「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」は8月18日より全国ロードショー。
声のキャストには広瀬すず、菅田将暉、宮野真守らが名を連ねた。

(2017年6月17日 映画ナタリー)

『岩井俊二原作アニメ『打ち上げ花火』 主題歌はDAOKO×米津玄師』

岩井俊二監督の傑作ドラマを劇場アニメ化する『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』(8月18日公開)の主題歌が、
女性ラップシンガーのDAOKO(ダヲコ)とシンガー・ソングライターの米津玄師がコラボした「打上花火」に決定。
米津が作詞・作曲・プロデュースを担当した同曲を使用した最新映像も解禁された。

脚本は『モテキ』『バクマン。』の大根仁氏が担当し、“繰り返される夏の1日”の、恋の奇跡を描くラブストーリー。
総監督は、社会現象化したアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』の新房昭之氏が務め、
ヒロイン・なずなの声優を広瀬すずが演じるほか、菅田将暉、宮野真守、松たか子らが出演する。

映画の企画が進む中で製作陣から名前が挙がったDAOKOは、中島哲也監督『渇き。』(14年)の挿入歌や、
庵野秀明氏率いるスタジオカラ―による『日本アニメ(-ター)見本市「ME!ME!ME!」』の音楽を
TeddyLoid氏と共に担当してきた女性アーティスト。声とセンスに以前から注目していたという新房監督は、
信頼を寄せていた米津とのコラボに「新たな化学反応が生まれ、すばらしい名曲が誕生したと思います」と自信をにじませた。

映画の挿入歌として、DAOKOが原作ドラマで主題歌として使用された「Forever Friends」をカバーすることも決定。
4月に解禁されていた予告編ですでに流れており、挿入歌のミュージックビデオは、岩井監督がドラマのロケ地で撮影する。

■ DAOKOコメント

遠くに見えるおおきな入道雲や、夕焼けのオレンジが反射してきらきらとしている水面、
波の音が止まない渚を、男の子と女の子が歩いている情景を浮かべながら歌いました。
もうあの時のようには感じられないことばかりだけれど、聴いてくれたみなさまに、
典道くんとなずながみているうつくしい世界をこの歌で感じていただけたらなと思います。
今年の夏は、きっと花火のように。

■ 米津玄師コメント

岩井俊二さんの原作が好きでした。夏のひとときの切なさを表現できればと思い作り始めました。
DAOKOさんの歌声も相まって、とてもいいものになったと思います。
これから映画がどういうものになっていくのかがとても楽しみです。

■ 岩井俊二コメント

まさか「Forever Friends」のPVを撮りに同じロケ地にふたたびお邪魔することになるとは
人生っていろんなことがあるものです。DAOKOさんを4Kで撮りながら歳月の流れを痛感しました。
かつてのドラマはKで言ったら約0.5k?当時はそんなスペックで『北の国から』も撮られていたのです。
せめてフィルムで撮っていたら。ネガが残ってたら。今更ながらいろんな“If”を考えてしまいました。
そんなことよりDAOKOさんによって「Forever Friends」が蘇ったことを祝福しないと。ありがたいです。

(2017年6月28日 オリコン)

『名作ドラマ「打上げ花火~」なぜアニメ映画化? 完成は遅れ中』

岩井俊二監督(54)の傑作ドラマを劇場アニメ化する
『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』(8月18日公開)の製作報告会見が11日、都内で行われた。
“繰り返される夏の1日”の、恋の奇跡を描いた原作ドラマを“アニメ”として映画化した理由について、
企画・プロデュースの川村元気氏(38)は原作ドラマの完成度の高さについて語ったあと、
「実写で少年少女の瑞々しさを再現するのが難しい。でも、アニメーションなら新しい表現があると思った」と説明した。

同アニメの脚本は『モテキ』『バクマン。』の大根仁氏が担当。
総監督は、社会現象化したアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』の新房昭之氏が務め、
ヒロイン・なずなの声優を広瀬すず(19)が演じるほか、菅田将暉(24)、宮野真守(34)、松たか子(40)らが出演する。

アニメ映画化を聞いた岩井監督は「最初はびっくりしました。なんてことを思いつくんだろうって」と驚いたという。
これまでも『バケモノの子』(細田守監督)、『君の名は。』(新海誠監督)などを手がけてきた川村氏は、
同作が「『君の名は。』より前に企画が始まっていた」と明かし、新房総監督について
「『化物語』と『魔法少女まどか☆マギカ』に衝撃を受けた。こんなビジュアルセンスの人がいるんだって、
一緒に映画を作りたいって思った」と当時の思いを振り返った。

以前からもう実現したかった企画として、『打上げ花火~』があったことも明かし、
「映画業界的には『打上げ花火~』はアンタッチャブルな企画と言われている。
パーフェクトだから触っちゃいけない。特に実写で少年少女の瑞々しさを再現するのが難しい。
でも、アニメーションでやるなら新しい表現があると思った」と動き出し、「岩井さんに許可をいただいて、
大根仁監督も『打上げ花火~』の大ファン。3人の映画監督が集まってアニメーションのオリジナルストーリーを作って
表現を見つけていったら面白いと思った」と話した。

ちなみに、この日は“完成報告会見”の予定だったが、当日“製作報告会見”に変更された。
川村氏は「シャフトというすばらしいスタジオが作っていて、遅れるで有名」と冗談めかし、
「粘りに粘っております。そのかわり、最終的にすばらしい作品をあげるので
新しい表現が提案できると思う」と自信をにじませた。

(2017年7月11日 オリコン)

『「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」全世界110の国と地域で配給決定』

1993年に手がけたドラマを、長編アニメ映画化する『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』の
製作報告会見が7月11日、都内で行われた。8月18日の全国公開を目指し、
完成に向けた作業が急ピッチで進んでいる中、すでに全世界110の国と地域での配給が決定したことが発表された。

テレビドラマとして異例の日本映画監督協会新人賞を受賞し、岩井監督の名を世に知らしめた同作。
今回のアニメ映画版では、『モテキ』『バクマン。』の大根仁が脚本を担当し、
『魔法少女まどか☆マギカ』の新房昭之が総監督を務める。母親の再婚で転校するクラスのアイドル的存在・なずなは、
自分に思いを寄せる典道に、町から逃げ出すための“かけおち”を持ちかける。

会見には広瀬すず(及川なずな役)、菅田将暉(島田典道役)、宮野真守(安曇祐介役)、
松たか子(なずなの母親役)、原作者の岩井俊二氏、企画とプロデュースを手がける川村元気氏が出席した。

川村氏は、「本日は“完成”報告の予定でしたが、現在も粘りに粘っております」と進捗を説明し、
「(自身が手がけた)『君の名は。』以降の新しいアニメ表現をご提案できるはず」と強い自信。
また、海外配給に関しては「110という数字は、予告編の段階で決まったものなので、
海外の映画祭での上映などを経て、もっと増えていくはず」とさらなる飛躍に期待をこめた。

一方、生みの親である岩井氏は「ドラマを作ってから24年後の未来に、
こういうアニメという形で観られるのは不思議な体験」としみじみ。「新房さんと一緒に映画を作りたいと思い、
手ぶらでは会えないので、岩井さんの許可をいただき、企画を立ち上げた。
大根さんも『打ち上げ花火』の大ファンですし、3人の映画監督が集まってフェスのようになれば面白いと思った」(川村氏)、「正直、企画を聞かされたときは、ビックリして、何てこと思いつくんだろうって(笑)」(岩井氏)と振り返っていた。

(2017年7月11日 ぴあ映画生活)

『広瀬すず、『打ち上げ花火…』で『瑠璃色の地球』を歌唱! 広瀬「私の歌がCDになるのは最初で最後かも』

8月18日(金)より公開される映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』の劇中で、
主人公・なずなの声を担当した広瀬すずが松田聖子の名曲『瑠璃色の地球』を歌唱することが発表された。

本作は、岩井俊二監督の実写映画作品『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』を原作に、
『バクマン。』の大根仁が脚本、『魔法少女まどか☆マギカ』の新房昭之が監督を務めた、
青春ラブストーリーアニメーション。

広瀬すずが歌う『瑠璃色の地球』は、1986年に発売された松田聖子の13thアルバム『SUPREME』に
収録されたのが初出であり、同年の第28回日本レコード大賞で最優秀アルバム賞を受賞。
人類の平和や地球への愛などの壮大なテーマを歌っており、これまでも多くのアーティストによりカバーされている。

本作では、なずながクラスメイトの典道(菅田将暉)との駆け落ちの道すがら、
幼い頃からなずなの母が口ずさんでいたという『瑠璃色の地球』を披露する。
なお、広瀬が初めてレコーディングに挑んだ本楽曲は8月9日(水)に発売される本作のオリジナル・サウンドトラックに、
及川なずな(CV.広瀬すず)の名義で収録される。

■ 広瀬すず(及川なずな)コメント

『瑠璃色の地球』を劇中で歌うと聞いたときは驚きました。松田聖子さんの曲ですと『赤いスイートピー』は
カラオケでよく歌わせていただいていたのですが、もともと歌が本当に苦手で……。
私にとっては難しい曲でしたが、練習していくうちにどんどん楽しくなっていきました。
映画の中でなずなもお母さんが歌う姿を見てこの曲を覚えたと言っていますが、私も母とカラオケへ行って練習をしました。
母も口ずさみながら一緒に歌ってくれました。壮大な世界観をもった『瑠璃色の地球』が流れる場面のなずなと典道の姿は、
ちっぽけなようにも見えるけど、とても大きな勇気をもらえる、素敵なシーンになりました。
そしてなにより、なずなが想像するファンタジーな世界の中で気持ち良く歌っている姿が本当に可愛いらしいんです。
ただ、実際に試写室で私の歌声が流れたときは、「このシーン早く過ぎて!」と思いました(笑)。
やっぱり歌は苦手です! 私の歌がCDになるのは最初で最後かもしれません!
今回は、本当に貴重な体験をさせていただきました。

■ 川村元気 (企画・プロデューサー)コメント

「東京でふたりで暮らそうよ」。脚本の大根仁さんが書いた、なずなの切なさと希望が入り混じるセリフを読んだ時に、
ふと『瑠璃色の地球』のメロディが頭に流れてきました。
そして監督たちが灯台と海をモチーフにした美術設定を描いてきた時に、松本隆さんの歌詞がそこにカチッとはまり、
なずなの気持ちを表すのはこの曲しかないと思いました。なずな役の広瀬すずさんが歌う『瑠璃色の地球』は、
小さな恋からはじまって大きな世界へと広がっていく、この映画そのものを表現しているように思います。

■ 新房昭之(総監督)コメント

まっすぐなふたりを包み込むような歌詞は、ふたりを希望の世界に飛び出せるように後押しをしてくれているようで、
励まされます。そしてなにより、アニメでしか生み出せない世界観の中で響く、
広瀬さんの歌声はドラマチックでとても素敵でした。ぜひ劇場でお聴きください。

(2017年8月3日 ぴあ映画生活)

『菅田将暉と宮野真守の男子トークに広瀬すずがたじたじ、共演アニメのイベント開催』

劇場アニメ「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」のジャパンプレミアと
“完成記念花火点火セレモニー”が、本日8月9日に東京都内で開催された。

TOHOシネマズ 六本木ヒルズで行われたジャパンプレミアには、キャストの広瀬すず、菅田将暉、宮野真守、
脚本を手がけた大根仁、プロデューサーの川村元気が参加。
夏らしく浴衣姿で登場した広瀬、菅田、宮野の3人に、会場からは歓喜の声が上がった。
本作の見どころについて、なずな役の広瀬は「なずなのアップの表情や打ち上げ花火の描き方が印象的で、
観たことのない雰囲気が流れている作品です」と映画の魅力を語る。

菅田は「めっちゃ面白かったです! 『スタンド・バイ・ミー』のように少年の頃の冒険心がよみがえるようなシーンもあって」と映画を鑑賞した感想を述べ、「かなりエロいなずなもいたり」と吐露。
大根が「(広瀬が)ちょっと引いてますよ」と指摘すると、
菅田は「男ってそんなもんですよ」とニヤリとする。また宮野が「日常の描き方がすごくリアルで
『こんな街並みあるよな』と思ったりしました。アニメーション的なファンタジーの演出には、
皆さん心を持って行かれるんじゃないでしょうか」とコメントすると、大根は「菅田くんもこういうこと言わないと。
宮野さん今日初めてお会いしたんですが、誠実な方ですねー」と感心していた。

続いてイベントでは、登壇者たちに「中学生のときクラスメイトにドキッとしたことは?」という質問が飛ぶ。
宮野が「エロいんですけど……」と前置きしたあと、「遠足とかで海に行ったとき、女子が素足になってはしゃぐじゃないですか。あれです」と述懐すると、菅田も「俺も1個いい? 集合写真で近くに好きな子がいてドキッっていう……かと思ったら先生だったりね」と回想。そんな2人の“男子トーク”に広瀬はたじたじの様子だった。

その後、東京ミッドタウンにて実施されたセレモニーには広瀬、菅田、宮野が出席した。
3人が点火スイッチを押すと、イルミネーションで花火を再現した“ひかり花火”がお披露目されたあと、
約300発の花火が打ち上がる。広瀬はうっとりとした表情を浮かべながら東京の空に輝く花火を見つめ、
「やっぱり花火っていいですねえ」と満面の笑みで語った。

「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」は8月18日より全国ロードショー。

(2017年8月9日 映画ナタリー)

『広瀬すず演じるキャラと花火デートできる! 360度VRアプリ公開』

ロッテアイスは、アイス「爽」のプロモーションの一つとして、
アニメ映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』とのコラボコンテンツを展開する。
コラボVRアプリ「爽ハッピー!花火鑑賞360°」では、「爽」のパッケージをスマートフォンでスキャンすると、
360度全てが映画の世界となり、主題歌「打上花火」が流れる中、ヒロイン・及川なずな(CV:広瀬すず)と
2人っきりで爽を食べながら花火鑑賞が楽しめるという。

アプリ内で使われているなずなの声は、今回のタイアップのために広瀬すずの声を特別に収録。
アニメーションも新たに描き下ろされたオリジナルバージョンとなっている。
VRアプリではスキャンする「爽」のフレーバー毎に全部で5パターンのセリフを用意。
フレーバーによっては「ねぇ、私のこと、好き?」、「今日は誘ってくれてありがとう」などのセリフもあり、
聞いているだけでドキドキしてしまう。花火鑑賞後は花火を背景になずなとの2ショット撮影も可能だ。

TVCMも本日より全国放送中。花火が上がるのを待っていると、「ほら、下ばっかり見てないで」
「ひとくち食べる?はいっ!」と、なずなが爽を差し出してくれる。
しかし、次の瞬間「あ~げないっ!」と、いたずらっぽい笑顔でかわされてしまう。夜空に花火が上がると、
「あっ、あがった!」と指さすなずな。「上を見て食べよ!」と見上げることをすすめてくれる。

映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』は8月18日より全国公開。

(2017年8月10日 クランクイン!)

『劇場アニメ「打ち上げ花火」コラボカフェがオープン、花火モチーフのフードなど提供』

8月18日より全国公開される劇場アニメ「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」の
コラボレーションカフェが、9月2日から10月2日にかけて東京・池袋パルコ、
9月7日から10月2日にかけて愛知・名古屋パルコにオープンする。

カフェでは、花火をモチーフにしたフードや劇中の青空をイメージしたドリンクなど
7種類のメニューを提供。打ち上げ花火をトマト、コーン、紫キャベツ、ブロッコリーなど
色とりどりの具材で表現した「夜空に咲いた 打ち上げ花火ピザ」、
キウイ、イチゴ、レモンなどを使った「フルーツで彩る花火パフェ」などを
楽しむことができる。併設されるショップでは限定グッズも販売予定だ。

本作は岩井俊二による同名ドラマを劇場アニメ化した青春恋愛劇。
広瀬すず、菅田将暉、宮野真守らが声のキャストに名を連ね、大根仁が脚本、新房昭之が総監督を担当した。

(2017年8月11日 映画ナタリー)

『「打ち上げ花火―」原作・岩井俊二「なずなに対する新房監督の愛が深い!』

「Love Letter」(1995年)、「スワロウテイル」(1996年)、「リリイ・シュシュのすべて」(2001年)、
「リップヴァンウィンクルの花嫁」(2016年)など、独自の映像美に湛えられた作品を発表し、
多くの映画ファンを魅了し続けている岩井俊二氏。

新房昭之監督によりアニメ映画化された「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」の
原作ドラマ「打ち上げ花火―」(1993年フジ系)は、彼が活動の主軸をテレビドラマから映画へと移すきっかけとなった、
“映像作家・岩井俊二”のフィルモグラフィーを語る上でも重要な作品の一つだ。
そこで今回は岩井氏に、原作ドラマ「打ち上げ花火―」に込めた思い、
そして、アニメ作品として新たな命が吹き込まれた映画「打ち上げ花火―」の見どころを語ってもらった。

──岩井監督が24年前に手掛けたテレビドラマ「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」を原作とした
劇場アニメ映画がついに公開されますが、最初に今回の企画を聞かれたときは、どんなふうに思われましたか?

川村(元気)プロデューサーからお話をいただいたのが一番最初だったと思うんですけど、
聞いた瞬間はやっぱり、「一体何てことを思いつくんだろう」と(笑)。びっくりはしたんですけど、
でも一方で、この作品がアニメで見られるのはうれしいなという気持ちも正直ありましたね。

──アニメといえば、岩井監督も以前「花とアリス殺人事件」(2015年)というアニメ作品を手掛けられていますね。

僕は一回やっただけなので、全然語れるレベルじゃないんですけど、アニメって、実写に比べるとはるかに大変なんですよ。
実写だと、役者さんのお芝居を撮れば、そのシーンは終わりですけど、アニメは一枚一枚描かなきゃいけない。
当たり前ですけど、ものすごく人手も手間も掛かるし、非常に労力の掛かるエンターテインメントだなと。
この作品も、最初に企画が立ち上がってから5年くらい経ちますが、今は“やっとできあがったな”と、感慨深いものがあります。

■ 全く違うものになったらなったで面白い

──アニメ化するにあたって、原作者の立場から「ここだけは変えないでほしい」といった要望はあったんでしょうか?

基本的には何もなかったです。自分も作り手なので、新たなアプローチをするのであれば、
どんなふうに変わっていくんだろうというところに、むしろ興味が湧きますから。
そもそも僕自身、原作ものを手掛けるときは「ここまでやっちゃうの?」というくらい変えちゃうタイプですし(笑)、
全く違うものになったらなったで面白いな、と。ともあれ、あまりこちらに遠慮されると、
いい作品にはならないので、「原作ドラマを意識しすぎず自由にやってください」というスタンスで、
とにかくすてきな作品ができればという思いだけでしたね。

それに今回、本打ち(※脚本作りの打ち合わせ)に毎回呼んでいただいたんですよ。
「原作者ってこういう場にいていいんだっけ?」と、ちょっと申し訳ないような気持ちも感じつつ(笑)、
本打ちに最後まで参加させてもらったので、もはや原作者として
引いた視線で見ることができなくなってしまったところもあります(笑)。

■ 時間軸の問題を解消するため“もしも玉”が誕生

──劇中に出てくる、「もしも玉」(時間を繰り返すきっかけとなるアイテム)の設定は、岩井監督のアイデアだそうですね。

「打ち上げ花火―」の原作ドラマは、「if~もしも」(1993年フジ系)というオムニバスドラマの中の
一編として作った作品なんですが、「if~もしも」には、初めから“もしも○○だったら?”というルールが設定されていたので、特に説明がなくても、ある分岐点からもう一度物語が始まるという流れが、
当たり前のものとして視聴者に受け入れてもらえたんですね。

それが、後に単体の作品として劇場で公開されて、さらに海外でも上映されたときに、
海外の観客からは「どうして時間が巻き戻ったの?」とか、「何でもう一回始まるの?」といった疑問が出てきて。
それはそうですよね、その点についての説明が一切ないんだから。
今までは「夏の思い出は幻のようなもので、それを時間を巻き戻すという形で表現しました」とか何とか、
いろいろ理屈を後付けしてしのいでいたんですけど(笑)、今回のアニメでは、その時間軸の問題は
ちゃんと説得力のある描き方をしなきゃいけないなと。そこで、僕の方から「もしも玉」の設定を提案して。
さらに、脚本の大根(仁)さんから、時間を遡るのを何度も繰り返す、というアイデアが出てきたんです。

■ 今回の新房監督の表現は、挑戦的な試みがたくさん成されている

──そうして完成した今回のアニメ作品をご覧になって、いかがでしたか?

ドラマを作ったのは24年前で、そのときも、自分の子供のころを懐かしんでいたというか、
自分にとって懐かしい世界を再現しているような感覚があったんですね。
それを24年後の未来に見るというのは、懐かしさの二乗というか、何だか新鮮な感じで…。
ドラえもんの世界にいるような不思議な体験をさせてもらった気がします(笑)。

──ヒロインのなずなは、ドラマで奥菜恵さんが演じていたなずなと同様、
少女とも大人の女性とも違う、何とも表現しがたい色気を放っていますね。

当時の奥菜さんも年齢に似合わず、すごかったんですよね。本当に小学生に見えないくらいに色気があって。
だから今回のなずなも、ドラマのなずなと全然違うという印象は受けませんでした。
ただ、新房(昭之)監督の映像表現として、「これは実写では無理だな」と思ったのが、“瞳の芝居”。
なずなの瞳をかなり大映しにするんですが、その瞳がちゃんと芝居してるんですよ。
ルイス・ブニュエルの「アンダルシアの犬」(1929年)とか、いくつかの映画で印象的な瞳のアップはありますけど、
実写映画で、瞳にあれだけの芝居をさせるって、なかなかない気がするんです。

アニメというのは、基本的に動きで表現するものなので、人物の顔には情報がないからアップの画は成立しにくい、
という話をどこかで聞いたことがあるんですが、逆にこういうところに突破口があるのかな、なんて。
そのくらい秀逸な表現だと思いましたね。顔のアップどころか、瞳にまで寄っていって、
しかもその瞳が躍動しているんですから。とにかく今回の新房監督の表現は、
挑戦的な試みがたくさん成されていると思います。アニメってこういうものだろうと固定観念を持ってる人ほど
驚くような表現がいっぱい詰まっているんじゃないかなという気がします。

■ 僕は完全になずな推し(笑)

──その斬新な表現を見て、映像作家として嫉妬を感じることは…?

嫉妬というよりも、ただただ、新房さんらしい解釈だなと感心しました。特にすごいなと思うのは、
新房さんがかつて手掛けた「魔法少女まどか☆マギカ」(2011年MBSほか)とは逆なんですよね。
「―まどか☆マギカ」は、キャラクターの顔の表情を一切使っていない。
登場人物がほぼ同じ造形で、髪形とか髪の色が違うだけじゃないですか。外国人から見たら全く判別できない。
あえてキャラクターが記号化されているんです。つまり、顔から個性を消したわけで、
そうしたキャラクターを演出するときは、顔の表情ではないところで演出をつけなければならない。
だから、「―まどか☆マギカ」は、いわば“引き算”の演出が施されていたと思うんですが、
今回の「打ち上げ花火―」は、逆に“足し算の演出”というか。新房監督は、これ以上の寄りの画では表現できないという
アニメ表現の限界に挑戦しているのかもしれない、とさえ思いました。

──では最後に、原作者から見た、アニメ映画「打ち上げ花火―」の魅力を教えてください。

「打ち上げ花火―」というのは、僕が作り手としてドラマから映画にシフトチェンジするきっかけになった作品ですし、20代のころにずっと作り続けてきた深夜ドラマの集大成的な作品でもある。本当に、いろんなものが詰まった作品なんですね。今回のアニメ作品では、自分がこの作品に詰め込んだ思いみたいなものを、新房監督や大根さんをはじめ、スタッフの皆さんと共有することができたんじゃないかなと思っています。

あと、見どころとしてはやっぱり、なずながめちゃくちゃかわいいんですよ(笑)。他のキャラクターも素晴らしいですけど、なずなに対する新房監督の愛が深すぎて。とにかく僕は完全になずな推しなので(笑)、皆さんもぜひ、なずなに注目していただけたら。

(2017年8月16日 ザ・テレビジョン)

『『君の名は。』に続く大ヒットへの高まる期待 第2弾『打ち上げ花火』は大衆性を備えたメジャー作』

東宝のアニメーションレーベルとして2012年に誕生したTOHO animation。
手がける作品の公開規模は当初20~100館ほどだったが、
オリジナル作品で初の300館規模への挑戦となった『君の名は。』で、興収250億円という歴史的な大ヒットを生み出した。
そして今年、その第2弾となる『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』が8月18日より封切られる。
前作に続く大ヒットへの期待が高まるなか、TOHO animationが掲げる戦略について、
仕掛け人の古澤佳寛プロデューサーに聞いた。

大衆性が必要。でも作家性にこだわってほしい

「東宝で自社制作したオリジナルのアニメ映画を、300館規模の配給で大ヒットさせる」という目的のもと、
古澤プロデューサーが中心になって設立したTOHO animation。そのスタートで、「一緒に仕事をしたい」監督を挙げていくなかに『君の名は。』の新海誠監督、『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』の新房昭之総監督の名前があった。

「公開規模が大きくなれば、当然それだけのヒットをさせなければいけないので、作家性だけではなく、
大衆性も求められます。どちらを主軸にするかというのは、監督のキャリアにおけるタイミングですね。
新海監督の作品を絶対にヒットさせようというつもりでいろいろと提案しましたが、
たとえば『秒速5センチメートル』のすぐあとだったら、大衆性に寄せたスタイルにシフトするのは
新海監督も受け入れられなかったかもしれません。ヒットさせるには大衆性が必要ですが、
プロデューサーとしては作家性にもこだわってほしい。監督がこちら側の言いなりになるのは違うと思います。
そのバランス感覚という意味では、新海監督は極めてプロデューサー的な資質を持った方です」

結果的に『君の名は。』は歴史的なヒットを記録。
そこから得た知見は、『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』の戦略に活かされている。
そのひとつが公開時期。『君の名は。』は8月末公開。
いわゆる東宝の夏の主力アニメーションは、セオリーとして7月公開が基本だ。
ジブリ作品や細田守監督作品も7月に公開されている。

「『君の名は。』も7月公開という考えもあったのですが、東宝としては力を入れている7月29日公開の『シン・ゴジラ』もあり、完全オリジナル作品ということで、数字的な読みの部分での怖さがありました。
もちろんプロデュースチームとしては8月26日公開だと、夏休みが5日間しかないという思いもありました。
でも、フタを開ければすごい結果になりました。7月のヒット映画の上映前の予告編に
8月公開の作品を入れることで、シャワー効果みたいなものが期待できるという実績も得られました」

記録的大ヒットのあと、大規模公開2作目の目標数値

『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』では、7月公開の『メアリと魔女の花』や
『劇場版ポケットモンスター キミにきめた!』という東宝の王道アニメーションに予告編を入れ、
アニメ作品の予告にアニメを入れることで宣伝の相乗効果を期待。
さらに、『君の名は。』の大ヒットに習うメディアミックスにも力を入れた。

「『君の名は。』のときは、カドフェス(角川文庫の夏フェア)で新海監督の小説をメインにしていただきました。
『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』でも、脚本の大根仁監督の書き下ろし映画原作小説、
原作の岩井俊二さんのスピンオフ小説を発刊していますが、書店の売り場で
かなりの露出をしていただいています。こうしたスタイルは、夏の公開作品にはかなり効果的なんです」

こうした多方面からの戦略によって、ヒットさせるための態勢を整えていった。
古澤プロデューサーは「確かに実績を積むことによって宣伝のテクニックは洗練されるかもしれませんが、
企画はそれぞれオリジナリティを持たなくてはいけません」と断言する。

今作の魅力については「これまでに(アニメーションスタジオ)シャフトが培ってきた作風の流れを汲みつつ、
大衆性も備えたメジャーな作品に仕上がっています。岩井さんの原作では登場人物は小学生だったのですが、
今作では中学生にしました。そのぶん青春の瑞々しさが映像のなかに出ていますし、新房監督のフィルムには、
シーンごとの風景や体のパーツが非常に個性的に焼き付いています」と力強く語る古澤プロデューサー。

記録的な大ヒット後の大規模公開2作目となる今作の目標数値をズバリ聞いてみると
「企画のスタート当初は15億円ぐらいのイメージだったのですが、『君の名は。』の大ヒット以降、
社内での期待値が上がっているので……20億円ぐらいは」とひかえめに答えた。
(文:磯部正和)

(2017年8月17日 オリコン)

『アニメ版『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』監督、映画祭で複雑な心境を明かす』

長編アニメーション化された『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』が現地時間24日、
スペインで開催中の第65回サンセバスチャン国際映画祭で招待上映され、
武内宣之監督と川村元気プロデューサーが記者会見を行った。現在公開中の同作は賛否両論を巻き起こしており、
その観客の反応について武内監督と川村プロデューサーが心境を明かす一幕もあった。

同作は、岩井俊二監督が1993年にフジテレビ系ドラマ「ifもしも」シリーズで発表した中学生の淡い恋模様を、
現代の要素を取り込みながら再構築したもの。“ロトスコープ”を用いてドラマの主人公たちの動きを
忠実にアニメで再現するなど原作へのオマージュを高く評価する一方で、通称“もしも玉”を使って、
主人公・島田典道の願望が何度も繰り返される物語の分かりづらさやラストの解釈を巡って賛否両論が巻き起こっている。

地元の記者から日本での評価を問われた武内監督は「ネットで見ればすぐに分かるのですが、
すごく良いと悪いが真っ二つに分かれている状態です。すごく分かりやすいハッピーエンドの話ではないので
最初からどう受け止められるか不安だったのですが……。もちろん僕の至らなさもありますけど、
ヘンに重要な評価を受けるよりは、うまく言えないんですけどホッとしているというか、
嬉しい気分です」と複雑な胸の内を明かした。

恐縮しきりといった面持ちで、心情を語る武内監督の様子を観て、
司会者から「でも日本では主題歌も含めて大ヒット(興行成績約15億円)したとうかがっています。
それは評判が良いという証なのではないでしょうか?」とフォローが。
これに対して武内監督は「去年、ものすごくヒットした『君の名は。』を手がけた川村さんの作品で、
その先入観で観に来る人もいると思うので、(社会現象になる様子を見ながら)心の中では怖いな、怖いな、
怖いなと思ってました。今となっては多少落ち着いて入られますけど、やっぱり……」と言葉を探りながら、
「いっぱい見てもらってそういう反応をいただいて、今となっては、いっぱい見ていただいてありがとうという気持ちです」
と前向きな言葉で締めくくった。(数字は配給調べ、9月24日現在)

川村プロデューサーも「『君の名は。』はストリーテリングが明快で物語性の強い作品だったのですが、
本作は映像表現に重きを置いている作品で、まさにそこが(評価の)焦点となっているという感じです。
でも昨年の『君の名は。』同様にサンセバスチャンに持って来られましたし、シッチェスへの出品も決まりました」と語り、
同じスペインで開催される第50回シッチェス・カタロニア国際映画祭(10月5日~15日)の
コンペティション部門に選出されたことを発表した。

また現地の記者からは「ハリウッドのアニメは世界のマーケットを意識していることを感じますが、
日本は非常にドメスティック。海外のマーケットを重要視していないのでしょうか?」という指摘も。
これに対して川村プロデューサーは「それが日本のアニメの良さかなと思っています。『君の名は。』
は結果的に200か国以上で公開されてヒットとなりましたが、特に海外を意識している訳ではなく、
ドメスティックな感覚に向かいあって製作しました。ただ僕は、東京で感じている感覚、向き合っている感覚は
世界と繋がっているのではないか? ドメスティックにとことん向き合うことが、
結果的にユニバーサルに繋がると思って作っています」と持論を語った。

なお、『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』は世界121の国と地域での配給が決まっており、
スペインでも公開が予定されている。(取材・文:中山治美)

第65回サンセバスチャン国際映画祭は9月30日まで開催
『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』は全国公開中

(2017年9月26日 シネマトゥデイ)