中国リメイク版データ

2004年の韓国リメイク版から10年後となる2014年──。
番組史上2度目となる海外リメイク版が中国にて誕生することが決定しました。

その中国版「世にも妙な物語」が一体どのような経緯で誕生し、公開されたのか。
当時の日中それぞれのニュース記事を引用しつつ、ご紹介していきましょう。

以下、その各報道の一部を管理人の素人翻訳込みで掲載します。
(海外記事の原文を見たい方はこちらへ)

発端

まず触れておかなければならないのは、フジテレビが2011年から中国進出を積極的に始めた点でしょう。

フジテレビは2011年辺りから中国企業へのリメイク権販売や企画への出資に注力しており、
これまでオリジナル映画「Mr.Mrs.シングル」、中国版「101回目のプロポーズ」などが制作されてきました。

『今、なぜ「僕は死にましぇん」?フジテレビが中国で『101回目のプロポーズ』をリメイクする理由』

最後に、なぜフジテレビが中国映画を製作するのかを(フジ・細貝康介氏に)聞いた。
実は『101回目のプロポーズ』にしても、2003年と2006年に中国や韓国でリメイク版が作られている。
リン・チーリンが高校生のときに台湾で見たものも放送権を売ったものだ。

「この企画を担当したときの会社のミッションが、リメイク権や放送権の販売も含む海外番販の飛躍的な拡大でした。
そこで何ができるんだろうと考えた結果、見えてきたものが
『われわれが最も自信をもっているコンテンツのリメイク権を、
現地で必ず成功する信頼できるパートナーに売り、
その勝ち馬に乗るためにプロジェクトにも出資する』ということでした」

例えば、リメイク権を制作費の5%で売ったとする。
同時に10%の出資を行えば、出資金額の半分は回収できているということだ。
作品に対して何のアドバンテージをもっていない状態での単純な出資よりも効率のよい投資スキームといえる。

「それから中国で勝てる、勝てないという分かれ目は、中国側のパートナーの能力に大きく依存することになります。
でも、われわれにはキャスティングや脚本製作についてのノウハウがある。
プロジェクトに参加することでクオリティを上げることに貢献できます」

(中略)

この2作を通じて分かったのは、海外進出するならば収益的に勝てるのは中国本土以外にないということだ。
香港や台湾、韓国市場を狙っても制作費に対するリターンが少なすぎる。
だから中国本土で勝負して、その余波を周辺国に広めていく戦略となった。
『101回目のプロポーズ』のように日本でも受け入れられる可能性もある。

次に狙っているのは中国のネットドラマです。映画やテレビと比べるとネットドラマは規制が少ない。
例えば、中国ではホラー映画をオンエアできません。だから、そもそも怖いものの作り方を知らないのです。
でもネットドラマならできる。現在進行中のプロジェクトでは、企画、脚本だけでなく演出家も派遣する予定です。
われわれに一日の長がありますからね。

(2013年10月18日 Business Media 誠より)

第一報

次なる企画は中国ネットドラマ
この発言の半年後、中国版「101回目~」のプロデューサーを務めた桂延文氏のSNSにて、
「奇妙物語」なる作品の制作が公に発表されることとなりました。

iQIYI、亜細亜伝媒、フジテレビの共同出資で製作する大人気作品「奇妙物語」
中国版のネットドラマ会議が進行中!まもなく製作開始です!

(2014年3月3日 桂延文Weiboより)

iQIYI、亜細亜伝媒との共同出資で製作するフジテレビの大人気作品「奇妙物語」。
準備の最終段階に入りました。アジア一流の演出家、スタッフで、全力を傾けて製作します!
「星から来たあなた」「霊魂擺渡」に続き2014年のiQIYIで最も期待される作品になるでしょう!

(2014年3月6日 桂延文Weiboより)

正式発表&撮影開始

プロデューサー発表の翌月、動画配信サイトiQIYIから番組制作&クランクインが正式発表。
ストーリーテラーを務めるのは、「イタズラなKiss~Love in TOKYO」に出演していた古川雄輝。
当時中国でこのドラマが放送され人気が爆発。古川さんも“男神”と呼ばれるほどの人気を集めていました。

『iQIYI、フジテレビ共同制作「奇妙物語」に古川雄輝が参加』

24年前、日本の4大民放局のTOPであるフジテレビは、
「世にも妙な物語」と題した名ドラマを制作しました。

このドラマでは、終始、著名な司会者であるタモリが出演し、物語の内容を語ります。
ひとつひとつの優れた物語を短編オムニバスドラマ形式で制作し、
今なお、人々にとって味わい深さが尽きない放送がなされています。

4月3日、iQIYI、フジテレビ、亜細亜伝媒の共同制作による
「奇妙物語」の中国オリジナルネットドラマの制作が、北京にて正式にスタートしました。

この中国版「奇妙物語」は、フジテレビのオリジナルスタッフ班により制作され、
過去に「東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~」を演出した
日本の著名な監督である久保田哲史が自らメガホンを取ります。
全15話が制作され、15の異なるスタイルの奇妙な物語は、日本のオリジナル版の持ち味を重視しています。

久保田「元々中国で奇妙物語が人気になってるっていう話を聞いていたし、
iQIYIって、若者に向かって発信している配信会社なので、中国のテレビ放送、
テレビドラマでは無いような作品って言ったら、世にも奇妙みたいな作品がいいかなと」

現在、「奇妙物語」全15話のメインキャストには、国内の実力派俳優が決定しており、
王伝君、葉祖新、龔蓓苾、馬思純、黄轩、陳昊に加え、
大人気の日本ドラマ「イタズラなKiss~Love in TOKYO」の主演を務める古川雄輝が劇中で重要な役割を担います。
お楽しみに。

(2014年4月4日 iQIYIより)

『中日共同制作「奇妙物語」で古川雄輝が主演』

「世にも妙な物語」を見た事がある皆さんは、
この種のJホラー番組が中国本土に上陸するとは絶対思わなかったでしょう。

これらのことは間違い無く事実です。あなたの聞き間違いではありません。
日本のフジテレビと、中国初の動画サイトである我がiQIYIの共同制作で、
久保田哲史演出、福田陽平撮影による《奇妙物語》が昨日クランクインしました。
この偉大なネットドラマは、7月下旬にiQIYIで配信されます。

さらに期待が高まるのが「イタズラなKiss~Love in TOKYO」の萌えなショタキャラである古川雄輝が主演するほか、
毎回、中国本土の葉祖新、王伝君、馬思純らの俳優による一対一の演技対決が見られます。
このような寿司+魚香肉絲(※1)のような組み合わせに、あなたは期待せずにいられますか?

(2014年4月4日 iQIYIより)

中国での撮影が終了し、日本へ

4月3日より撮影を開始した「奇妙物語」。
5月11日に中国での撮影がクランクアップし、19日より日本での撮影に入りました。

iQIYI、フジテレビ、亜細亜伝媒の共同出資により制作される、25年の歴史を持つ名作
《世にも妙な物語》の中国版シリーズ14作分が、本日無事クランクアップしました。
全ての制作スタッフ及び、熱演してくださった出演者各位に感謝します!

制作班は近いうちに日本へ場所を移し、古川雄輝さんを加えた撮影が東京にて行われます。
このドラマは7月末に、iQIYIとPPS影音で配信されます!

(2014年5月11日 桂延文 Weiboより)

東京都北区中央図書館で行われたロケでは、主にテラーパートと最終話の一部を撮影。
クレジットには明記されませんでしたが、テラーパートの俳優は全て日本人が起用されたほか、
最終話で共演する張辛苑さんとの共演シーンも撮影されました。

iQIYI、フジテレビ、亜細亜伝媒の共同制作による中国版《世にも妙な物語》を、
東京都内の図書館で撮影しています。
日本の新世代アイドル、古川雄輝さんの撮影初日です~。

(2014年5月19日 桂延文 Weiboより)

オールアップに向けての撮影が進む中、古川さん以外の報道も出てくるようになりました。

『陳美行、初めての日本合作「秘密の通販」で感情的なもつれをこじらせる』

先日、90年代生まれの実力派スターである陳美行が
中日合作ドラマ《世にも妙な物語「秘密の通販」》の撮影に参加した。

このドラマは日本の著名な監督である久保田氏が演出し、
初めて日本の撮影班と協力することとなった陳美行は「とても楽しかったです。
再び合作できる事を期待しています」と率直に答え、
そして、自ら演じた“胡月”が非常に見所のある役だと漏らした。
医者である夫との感情的なもつれがこじれていく中、
次々に通販事件が重なってくるサスペンスという、非常に独特な設定のストーリーだ。

作中で陳美行は胡月に扮し、医者である夫が多忙で滅多に家に帰らないため、
夫から浮気を疑われることとなるが、さらにそこへ一連の不思議な出来事が起こり、
感情的なドラマ以外にサスペンスの要素も少し加えられ、見所のある場面が続々と登場する。

さらに今回、日本の撮影班が協力することに言及した陳美行は、
「日本の大人気作品《世にも妙な物語》シリーズに参加できたことが非常に嬉しい。
現場でも各班の専門性を感じたほか、言葉が通じない場であっても常にユーモアを絶やさないため、
とても面白く、非常に特別な撮影経験ができました」と語った。

(2014年5月30日 捜狐娯楽より)

「奇妙」から「不可思議」へ

日本での撮影を終えた古川さんは、6月13日より北京で撮影を開始。
15日のオールアップまで、古川さんは撮影見学イベントや囲み取材と大忙し。

そんな中、作品名が「奇妙物語」から「不可思議的夏天 (不思議な夏)」に変更されることに。
オリジナル脚本であることも手伝い、どんどんリメイク版から「世にも」の色が薄くなっていくのでした…。

『中国版《奇妙物語》取材 古川雄輝と張辛苑の“奇妙なラブストーリー”』

日本の長寿ドラマ《世にも妙な物語》は、1990年の放送を開始以降、全世界に無数のファンを獲得した。
フジテレビとiQIYIの共同制作による中国版《世にも妙な物語》が、
タイトルを「不可思議的夏天」と改め、7月に観客の前に現れる。
数ヶ月間の撮影を経て、先日ファーストシリーズがクランクアップした。

本日、このドラマの主演男優の一人である古川雄輝は、堂々とした様子で現場での撮影に望んでおり、
この人物こそが《イタズラなKiss~Love in TOKYO》で知られる、知的なイケメン俳優だ。

《世にも妙な物語》は日本で14年間(※2)放送されており、深みのある良質なドラマによって
中国でも安定したファン層が存在し、長寿ドラマの優秀な見本だと称する事ができる。
このドラマには数多くの人気俳優が主演し、1990年の放送から3シリーズが制作され、
1997年からは毎年春と秋の特別編の2回、毎回5つの物語の放送を続けながら現在に至っている。

ストーリーは、奇妙、感動、コメディ、ブラック、恐怖などの5種類に分類でき、
多くの小説からの翻案も行っている。《不可思議的夏天》と改題されてはいるが、
内の部分も外の部分も、オリジナルの風味をそのままに維持しているそうだ。

《不可思議的夏天》プロデューサーの馬継鵬氏によれば、
本家《世にも妙な物語》の脚本家を招いて制作された脚本以外にも、
撮影、音楽、監督まで、制作班のほとんどが日本人スタッフによって構成されており、
オリジナルの要素そのままであることを保証しているという。
「日本版と同じく《不可思議的夏天》も、いくつかのストーリーに分かれ、
毎回1つのショートストーリーを異なる俳優が演じます。
古川雄輝以外には、葉祖新、王伝君。女性では張辛苑、龔蓓苾が主演を努めます」。
聞けば《不可思議的夏天》は15話分が制作されるとのことだ。

2013年版《イタズラなKiss~Love in TOKYO》で知られる古川雄輝は、
劇中でカメラ好きのイケメンを演じ、張辛苑演じるヒロインと“奇妙なラブストーリー”を繰り広げる。
初めてとなる訪中での撮影に、古川雄輝は「僕の判る中国語は少しだけですが、
張辛苑さんと英語で交流することが出来たので、問題ありませんでした」
と、言葉の問題が無かった事を話した。

彼は、劇中でほとんどの台詞を中国語で言わなければならないため
中国語を勉強していたが、なかなか身に付かなかったという。
「中国語はとても難しいですし、多くの仕事があったので
、中国語の勉強時間が取れず、身に付かなかった僕にとって大きな挑戦でした」

《イタズラなKiss~Love in TOKYO》のヒット後、多くの中国ファンから古川の前髪が人気になっていることに関して、「まず僕は、ファンが僕の髪型が好きな事を知らなくて。
それに僕は役者なので、ヘアスタイルは役作りで決まります」とクールに話す。

プライベートでの趣味について聞かれた際は、
「麻雀が好きですね、あと猫が好きなので、猫カフェによく行きます」と笑って答えた。
そこへ撮影現場で彼の趣味を知っていた張辛苑が、彼に中国の麻雀牌のセットをプレゼントして、
取材陣を大いに笑わせた。 中国の女性に対する印象を聞かれた際には、
「中国は初めてなのでまだよくわかりませんが、年上の落ち着いた女性が好きですね」とはにかみながら答えた。

《不可思議的夏天》は7月末よりiQIYIにて配信され、後にフジテレビでも放送されるそうだ。

(2014年6月13日 新華娯楽より)

撮影も無事終了の翌日、フジからも「不可思議的夏天」の発表が行われ、
中国の報道ではわかりにくかった制作の意図や狙い等がハッキリ明かされることとなりました。

ただ「世にも」色がすっかり薄れてしまったせいか、
日本では『世にも』のリメイクであることは一切触れられないのでした。

『日本のテレビ局初!フジテレビが中国ネットドラマを制作!中国全土で無料配信決定!『不可思議的夏天』』

フジテレビは、中国の動画配信会社・iQIYI(アイチーイー)と
オリジナルインターネットドラマ『不可思議的夏天』を共同制作し、
iQIYI(http://www.iqiyi.com/)で、中国全土に無料配信が決定したことを16日、北京のiQIYI cafeで発表した。
これは日本のテレビ局では初めての試みとなる。今年1月にiQIYIでフジテレビの人気連続ドラマ
『僕のいた時間』などの配信を開始したことがきっかけで実現したものだ。

オリジナルネットドラマ『不可思議的夏天』(日本語で「不思議な夏」という意味)は、
1話完結(全15話)のオムニバス形式。
北京を舞台に、15人の主人公たちが不可思議な世界に迷いこむというストーリーだ。

その中の15話「惑星欠片」の主演、“大トリ”を飾るのは、期待の新星・古川雄輝(ふるかわ・ゆうき)。
昨年、主演ドラマ『イタズラなKiss~Love in TOKYO』(フジテレビONE TWO NEXTにて放送)が、
日本の放送と同時に中国で配信され、5000万ビューを超える大ヒットを記録。
中国内での古川雄輝のSNSは、フォロワー数100万人を超え、
「男神(=中国でよく使われる言葉。「憧れの男性」という意味)」と言われているほどの人気を博している。
古川雄輝はドラマの主演だけではなく、各話の案内役という大役もつとめる。
ほか、ワン・チュアンチュン(王伝君)ら、中国で人気と実力を兼ね備えた俳優を多く起用するところも、
このドラマの見どころの一つだ。

演出・プロデュースは、フジテレビの人気ドラマ『医龍』や
『東京タワー~オカンとボクと、時々、オトン~』を手がけた久保田哲史(フジテレビ編成開発部)がつとめる。

巨大なマーケットを持ち、新しいムーブメントを常に求めている中国。
規制の多いテレビドラマでは満たされない若年層にとって、
インターネットで配信される「ネットドラマ」は、近年支持を集めている。
その中でもiQIYIは、昨年、韓国の人気ドラマ『星からきたあなた』の配信で15億ビューを記録し、
1月から配信が開始された新作オリジナルドラマも5億ビューを記録するなど、超人気動画配信サイトとなっている。

このiQIYIを通じての中国全土配信によって、視聴可能人数13億人という中国国内市場だけではなく、
北米や台湾・韓国などでの展開も考えている。また、決断力、行動力、成長のスピード、
いずれにおいても急成長を遂げているiQIYIとフジテレビがタッグを組むことで、
拡大し続けている日本の配信事業にも好影響を与えることは間違いない。

今後は、このプロジェクトを足がかりに、
フジテレビコンテンツの世界流通のチャンスを広げていきたいと考えている。

(2014年6月16日 とれたてフジテレビより)

同時に演出を務めたフジテレビの久保田哲史監督のコメントも発表され、
今後の「不可思議的夏天」の展望について触れられました。

『コメント (演出・プロデュース 久保田哲史 (フジテレビ編成開発部))』

Q.このプロジェクトが始まった経緯について

「一昨年、中国で“101回目のプロポーズ”が中国映画としてリメイクされ、
興行収入30億円の大ヒットを記録しました。この映画に共同出資をしていたのが北京亜細亜伝媒という制作会社で
“すぐに新しいチャレンジをしよう”ということになりました。

そんな中、昨年、中国NO.1配信動画サイトのiQIYIから
“フジテレビのドラマを放送直後に中国で配信したい”という提案があり、
彼らと交渉をしているうちに共同制作の話が浮上しました。
iQIYIは、今年からオリジナルコンテンツを積極的に制作していこうというタイミングだったのです。

また、この『不可思議的夏天』でシリーズ全編に案内役として登場し、
15話の主演をつとめている古川雄輝さんが出演されていたフジテレビCSドラマ
『イタズラなKiss~Love in TOKYO』がiQIYIが中国で配信し大ヒットし、
彼が多くの中国人ファンを獲得しているという現状もありました。

これらの条件が重なり、北京亜細亜伝媒、iQIYI、フジテレビの3社が共同出資をする形で、
日本のテレビ局で初めて、中国とのオリジナルネットドラマの共同制作が実現することになりました。
規制が厳しい中国のテレビ放送と比べると、インターネット配信は比較的規制が少ないこともあって、
単に出資だけではなく、フジテレビが脚本、演出を手がけ、
主演俳優にも日本人が含まれるというネットドラマを制作することが可能となりました」

Q.今後の展望について

「『不可思議的夏天』のパート1を大ヒットさせ、シリーズ化を目指していきたい。
さらに中国での映画化も実現できれば、と思っています。
また、今後は、既存のフジテレビドラマコンテンツを海外にそのまま販売するだけではなく、
共同制作という形で世界中のマーケットにより深く参入することを目指していきたいと考えています」

(2014年6月16日 とれたてフジテレビより)

盛り上がる報道

日中両方での情報解禁も終え、あとは配信日を待つだけとなったリメイク版。
中国メディアでは主演の古川雄輝さんを中心とした報道が多数掲載されることに。以下がその一部です。

『古川雄輝インタビュー:萌えなお兄ちゃんは優しい男性』

●《不可思議的夏天》について:ラブストーリー出演のために中国語を勉強 ●

この度、お兄ちゃんこと古川雄輝がiQIYIと日本フジテレビの合作ドラマ《不可思議的夏天》の撮影のために
北京を訪れている。この作品は日本の長寿ドラマ《世にも妙な物語》の中国版だ。

古川雄輝は小さい頃から日本版の《世にも妙な物語》を見ており、
今回その中国版に出演出来て非常に嬉しいと語った。
劇中、古川雄輝はカメラが趣味の"イケメン"を演じ、
張辛苑扮するヒロインと奇妙なラブストーリーを展開する。

初となる中国での撮影に、彼は大部分の台詞を中国語で話さなければならず、
付け焼き刃で中国語の勉強を行ったそうだ。また、ヒロインとのキスシーンがあるのかについて尋ねられると、
彼は恥ずかしそうに笑い「見ていただければ判ります」と答えた。

記者「聞けば、今回あなたが出演するのは中国版《世にも妙な物語》とのことですが、
日本の《世にも妙な物語》をご覧になったことはありますか?
あれば、日本版のエピソードで印象深いものなどはありますか?」

古川「見たことはあります。日本で《世にも妙な物語》はとても有名なので、
小さい頃からずっとドラマを見ていました。特に印象的なのは“SMAPの特別編”で、
日本のアイドルグループSMAPの5人が主演し、それぞれ『エキストラ』『13番目の客』
『BLACK ROOM』『僕は旅をする』『オトナ受験』の5話が放送されました。
このドラマは10年以上前の物ですが、僕は未だにストーリーを覚えています」

記者「初めて中国ドラマを撮影した感想は? 北京での撮影はもう慣れましたか?」

古川「初めてとなる中国での撮影だったので、何度か言葉が通じない場面がありました。
現場のスタッフはほとんど中国語を話すので、通訳を介して
彼らが何を言いたいのかを理解しなければならず、非常に大変でした」

記者「あなたは今回《不可思議的夏天》で、ヒロインと
“奇妙なラブストーリー”を繰り広げるそうですが、この話はホラーですか?」

古川「“奇妙なラブストーリー”ではありますが、
ホラーなわけではなく、サスペンスラブストーリーです」

記者「あなたはホラー映画が好きだと聞きましたが本当ですか?
好きなホラー作品はありますか?」

古川「ホラー映画は大好きです。最も好きなのは《モーテル》という外国映画で、
血なまぐさいシーンが結構ありました」(お兄ちゃんの好みはヘビーですね……)

記者「今回のドラマであなたの役柄を教えて下さい。
劇中では英語か中国語を話されるんですか?」

古川「僕の役は中国へ留学に来た日本人で、ピザ屋で働きながらカメラマンになる事を夢見ています。
劇中ではほとんど中国語を話していますが、いくつか英語も話しています」
(吹き替えではない、お兄ちゃんの肉声が直接聞けるのでご安心ください)

記者「麻雀用語以外で、新しく学んだ中国語はありますか?」

古川「不好意思(※3)です……」

記者「以前、あなたは次のドラマにダンスシーンがある事を望んでいましたが、
今回ダンスはありますか? また、ラブストーリーということで、
劇中にキスシーンはありますか?」

古川「今回のドラマには残念ながらダンスシーンがありませんが、
張辛苑さんがダンスをする場面はあります。
そして、キスシーンがあるのかどうかについては、見てもらえば判りますよ」

記者「あなたと共演した張辛苑さんについての印象はどうでしたか?」

古川「ドラマでの張辛苑さんは普段の彼女と印象が異なっています。
劇中の彼女は、とても綺麗で透明感のある女神というイメージですが、
実際の彼女は活発で可愛らしく、非常に穏やかな人ですね」

(2014年6月17日 新浪網より)

アメリカのメディアでも報道され、こちらでは中国での苦労話が中心。
それにしても『翻訳家が勝手に台本を改変していた』というのは、お国柄なのかなかなか凄い話…

『中国のiQIYIと日本のフジテレビがドラマを共同制作 (独占取材)』

“「不可思議的夏天」は2ヶ国の企業間による初の共同制作ドラマであり、
その大部分に中国人の俳優や、日本のディレクターを起用していることがウリだ。”

東京──中国の大手ポータルサイト百度(バイドゥ)傘下である動画サイトiQIYIと、
日本のフジテレビが、7月放送予定の「不可思議的夏天」というドラマシリーズの為にタッグを組む。
中国の動画サイトとの共同制作は、日本のテレビ局では初めてのことだ。

徐々に縮小傾向のある市場に直面しているフジテレビは、
急成長を遂げている中国のオンラインビデオ市場を最初の足がかりとして、
海外進出を推し進めている。
また、競争率が激化している中国の動画配信市場におけるiQIYIも、
高画質かつオリジナルコンテンツを武器に差別化を図っている。

「不可思議的夏天」全15話のエピソードは、
日本人俳優の古川雄輝(「永遠の0」)をゲストに加えた中国人キャストらと、
演出のフジテレビの久保田哲史(「東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~」)によって、
今週北京で撮影を終了した。 各エピソードは中国語による一話完結物で、
このドラマは7月31日よりiQIYIで配信を開始する予定だ。

古川は昨年、日本ドラマ「イタズラなKiss~Love in Tokyo」の放送を機に、
中国でビッグスターとなっており、中国版TwitterのWeiboでは、
60万人を超えるフォロワーを集めているという。
この26歳の俳優は、過去に日本企業のプロモーション活動を中国で行ってはいたが、
今回のドラマ撮影は彼にとって初めてのことだった。

当然、言語の問題は古川と久保田監督の両者にとって最も大きなハードルだったという。

「5種類のアクセントを使い分ける中国語での演技は、想像以上に困難でした」

東京に戻った翌日、古川はハリウッド・リポーターの記者にそのように語った。

さらに「現場での指示は中国語で行われていて、
僕は多くの時間のあいだにすべきことを推測しなければなりませんでした」とも話した。
英語による台詞もあったが、学生生活のほとんどを
カナダとニューヨークで費やした彼にとって問題ではなかったそうだ。

久保田監督によると、脚本が日本語から中国語に翻訳された際、
翻訳者の手によって、いくつか著しい変更が加えられていたという。
監督は「私が指示を与えても、中国人のキャストは全く異なる物を読んでいたので、
話が噛み合わなかった」と話す。

ひとまず、監督とキャストは文字通りの意味になるよう脚本の内容を揃えたものの、
今度は現地スタッフらの仕事ぶりについての問題が明るみになった。

「それらは文化的な理由によるものですが、日本人はとても正確に、細部まで準備を行う一方、
中国人は非常にのんびりしています。彼らは遅刻したり、準備が不十分だったり、
スケジュールさえわかってていないことがある」と監督は説明する。
そして「しかし、彼らはとても一生懸命に働き、
我々は最終的に非常に良いチームとなりました」と続けた。

さらに監督は、日本以上に進んでいる中国の技術レベルを目の当たりにし、驚かされたそうだ。
「我々が撮影を終えるとすぐに編集に入り、それらはすべて4Kで行われていました」

多くの問題があったにも関わらず、ハリウッド進出を夢見る監督と古川は、
再び海外で撮影することに対して意欲的だという。

(2014年6月18日 Hollywood Reporterより)

7月中旬には同月末に配信予定が8月8日へ延期されることに。
そんな最中でもまだまだメディアでの盛り上げが続いていきます。

『中国で連ドラネット配信 独自番組の争奪戦 背景に』

フジテレビは中国のインターネット動画配信会社と共同で
オリジナルドラマ「不可思議的夏天」(全15話)を制作し、8月8日から同国で無料配信する。
同局によると、日本のテレビ局が海外向けの連ドラを制作し、ネット配信するのは初めて。

背景には中国内の配信ビジネスの競争激化で、
現地企業が独自のコンテンツ(番組)を奪い合っているという事情がある。

「不可思議的夏天」は北京を舞台にした1話完結のドラマ。
15人の主人公たちが不思議な世界に迷いこむというファンタジーだ。
ロケは中国で行われ、出演者もほとんどが中国人。
日本人では俳優の古川雄輝が全体の案内役を努め、第15話では主演する。
演出とプロデュースは「医龍」「東京タワー ~オカンとボクと時々オトン~」などを手がけた久保田哲史だ。

1話の長さは18~36分程度で、初日から全話を一挙に配信する。
久保田プロデューサー(P)によると、「中国はスピードがとんでもなく速い。1話が長いと飽きられてしまい、
続きは1週間後、では見てもらえない」という。

制作のきっかけは、昨年中国で公開した「101回目のプロポーズ」のリメイク映画が大ヒットしたこと。
今回手を組むのは中国の動画配信会社「iQIYI(アイチーイー)」。
久保田Pは「基本的に違法動画がなく、代金の支払いもしっかりしている。信頼できる企業だ」と話す。

今回の事業でビジネス面を担当する早川敬之ゼネラルプロデューサー(GP)によると、
サイトは「無料広告配信モデル」で、再生回数に応じてフジに収益が配分される仕組み。
目標は2億ビュー(再生)だという。

中国では大手数社によるネット動画配信事業の競争が激化。
ハリウッド映画や韓流ドラマなど、コンテンツが奪い合いになっているという。
早川GPは「各社、他社にない独自のコンテンツがほしい。
そんな中『日本の』『オリジナルドラマ』に目をつけたのがiQIYIだ」と解説する。

過去の番組はネット配信を前提とせずに作られたため権利処理が難しいほか、
たとえば1話1時間で作られたものを30分に編集する、といったことも契約上できない。
「それでは先方の要求に100%応えられない。それならオリジナルで、
ということになった」と久保田Pは話す。

今後、日本のテレビ局の「海外進出」は活発になっていくのか。
早川GPは「中国の利用者は週末、手元のモバイル端末でドラマ15話くらいを一気に見てしまう。
マーケットは今度もどんどん大きくなっていくだろう」と分析する。
久保田Pも「ただ『権利処理が大変』とじっとしているのではなく、
リスクを背負いながらもとりあえず『やってみよう』と判断した。
世界に置いてけぼりにされてしまう前に」と話している。

(2014年7月30日 読売新聞 夕刊より)

『“奇”を求め、“妙”を探るゾクゾクの夏《不可思議的夏天》』

「世にも妙な物語」中国版の撮影が終わり、タイトルが「不可思議的夏天」と改題された。
このニュースは大きな衝撃と驚きの声を呼び、様々な所で議論となり、賛否両論が巻き起こっている。

肯定派からは、中国ドラマのテーマ範囲を開拓でき、さらに日本オリジナルの物と違って、
馴染みのある言語や舞台によるストーリーは、国民にとってより親近感を持てるだろうと賞賛されている。

一方の否定派からは、郷に入っては郷に従えとばかりにうわべだけを変えた事により、
原作のテイストを失い、最終的に失敗するのではないかと心配の声があがっている。
人気シリーズが原作であるこの新作に期待するのは当然といえるのだが、
だからこそファンを非常に不安にさせているわけだ。

しかし、これらのネットユーザーたちの心配に根拠がないわけではない。
「世にも妙な物語」は、ここ数年感動路線に偏っている所があるが、
そもそもは奇妙かつ不条理なホラーを扱う番組である。
そのようなナイーブでハイリスクな題材が輸入された事で、
その魅力を維持できるのかどうか大きな疑問がつきまとう。

その上、見慣れた国内ドラマは家庭内道徳などのテーマばかり扱っており、
視聴者から軽視されている。国内の制作能力自体に懐疑的になるのも無理はない。
そういった不安や、過去の経験を踏まえ、
「不可思議的夏天」の品質はどうなっているのか、具体的に分析してみることにした。

まず、本作は日本人スタッフとフジテレビによる強力なバックアップがあるため、
視聴者はその品質に対して十分安心できる。さらに、ネット上での配信となるため、
比較的規制も少なく、《世にも妙な物語》の奇妙さを最大限保つことができるだろう。
そして古川雄輝の起用が本作の大きな特色となっている。
《世にも妙な物語》を知らない人でも、彼の人気が多くの視聴者を呼び寄せるだろう。

不安や驚きの声に紛れてはいるが、この夏がどこへ向かうかは判らない。
案外ちょっぴり不可思議な場所だったりしてね!

(2014年7月25日 電視劇より)

『古川雄輝が中国市場に進出へ。夏版《世にも妙な物語》で主演』

大人気漫画を映像化した「イタズラなKiss ~Love in TOKYO~」により
中国で大人気となっている日本の男性スター古川雄輝が、
8月8日に配信される《不可思議的夏天》で中国ドラマ市場に初進出することがわかった。
葉祖新や龔蓓苾らのスターの協力により制作されたこのドラマは、各種の“奇妙”をテーマに
どんでん返しを含むストーリーで知られる《世にも妙な物語》唯一の夏バージョンだ。

奇妙な夏の日:古川雄輝主演の夏版《世にも妙な物語》

約20年もの間、日本の長寿ドラマ《世にも妙な物語》は
その無限の想像力により、多くの“世奇(※4)”ファンを形成している。
非日常な生活や境遇、各種の“奇妙さ”、どんでん返しなどがこの番組に多くの人を惹きつけている原因だ。
“世奇”は既に500話近いストーリーを放送しており、
ホラー、サスペンス、奇妙、感動、コメディーといった大半のジャンルが含まれている。
1997年から“世奇”は毎年の放送が春と秋の特別編に固定化され、
毎季ごとに5つのストーリーが流されている。

《不可思議的夏天》は《世にも妙な物語》の中国版として
8月8日より配信され、春と秋の間に制作される唯一の夏版“世奇”だ。
本作は15のオリジナルストーリーによる構成で、
それぞれ撮影手法や主演が全て異なっているほか、演出、脚本、カメラマン、音楽などの
ほとんどが日本人スタッフによって制作されている。

演出の久保田哲史は日本のドラマ「東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~」「医龍」などを手掛け、
撮影指導の福田陽平は有名な日本映画「告白」に参加しているほか、
各話のシナリオも本家“世奇”の脚本家が執筆している。
これら最強の布陣が、日本の映画やドラマを手がけた熟練の技術をそのまま用いることで、
《不可思議的夏天》は、目先の利益を優先して内容を疎かにすることをせず、
“世奇”の魅力を保つことができるようになったのだ。

全てのストーリーは短編ながらも鋭く、至る所で緊張感たっぷりにハラハラさせてくれる。
展開が進むに従い、主人公が障害を乗り越えても、さらなる危機に次々直面し、
問題が完全に解決したと思った時、さらなるサスペンスが……。
つまり、真相が明らかになったと思いきや、
その先にこれまで隠されていた予想外の驚きが待っているわけだ。
《不可思議的夏天》でも、途中でオチが読めたと思っていたはずが、
本当のラストを誰も予測することができなかった。

(中略)

奇妙なサプライズ:古川雄輝が贈る超弩級な“ゾクゾク”の夏

日本版《世にも妙な物語》では、
各話ごとに登場するサングラスのおじさんこと、ストーリーテラーが物語の主な内容を語ってくれる。
一方の《不可思議的夏天》では、サングラスのおじさんから、イケメンの古川雄輝がその役を担う。
昨年、有名漫画を原作とした「イタズラなKiss」の放送後、
彼が演じる入江直樹は多くの少女たちにとって最高の男神となった。

彼が発する心地よい声は、多くの人々から“声で操られる”
“耳が妊娠する”などと評されており、今回の《不可思議的夏天》でも、
視聴者に古川雄輝の素晴らしいパフォーマンスを見、
モノローグを耳にさせることで、期待通りに満足をさせるはずだ。
古川雄輝の中国内人気は未だ高いため、中国の映画やテレビなど、
各方面が彼に関心を持っているという。

ストーリーテラー以外に、古川雄輝は第15話《惑星欠片》の主演を務めており、
多くのファンへのサプライズを忘れていない。
彼が扮する北京にやって来た日本の留学生で、カメラが趣味の“イケメン”本多京一と、
“豆板女神”こと張辛苑演じる盲目の美女による、
感動的かつサスペンスを含んだ“ゴースト/ニューヨークの幻”風の物語が展開される。

それ以外に、本作には葉祖新、龔蓓苾、“関谷神奇”の王伝君、韓承羽、彭暁冉等のスターが、
夏版《世にも妙な物語》のため共に熱演し、ゾクゾクの夏を連れてくることになっている。

(2014年7月31日 新浪娯楽より)

完成披露試写会が開催

8月に入り、いよいよ配信が間近となった「不可思議的夏天」。
8月6日には北京の藍色港湾伝説劇場にて完成披露試写会が行われ、
古川さん見たさのおかげか、限定40席の応募に7万人が殺到。倍率は何と1750倍になりました。

試写会では第1話「秘密の通販」、第14話「消えない女」、第15話「惑星欠片」の3話が上映されたほか、
ある古川雄輝さん始め出演者やスタッフによる舞台挨拶も行われました。

『《不可思議的夏天》試写会 古川雄輝“キスシーンが印象深かったです”』

iQIYI、亜細亜伝媒、日本フジテレビの共同制作による、
中国初の奇妙な自製ネットドラマ《不可思議的夏天》。
その完成披露試写会が昨日、北京にて行われました。

iQIYIチーフコンテンツ官の馬東、亜細亜伝媒社長の桂延文、
日本フジテレビ国際開発局長の前川万美子、さらに、人気アイドルの古川雄輝、
張辛苑、龔蓓苾、王野ら主要製作陣が一堂に会しました。

《不可思議的夏天》は、日本の《世にも妙な物語》のメインスタッフによって制作され、
中日両国の人気スターが参加しているほか、奇妙、サスペンス、
ミステリーなどの多彩なテーマが扱われています。

このドラマはまだ配信されておらず、この試写会で初上映となる3編が公開されました。
スリリングかつ刺激的な内容で、次々と現れる謎は、観衆を満足させるどんでん返しへと行き着きます。

古川雄輝が出演する《惑星欠片》では、張辛苑と奇妙なラブストーリーを繰り広げています。
彼のたどたどしい中国語は何度か会場の笑いを誘いましたが、
キスシーンでは多くのファンにショックを与えたようです。

古川「(印象深いシーンは)キスシーンですかね」

古川「(NGを出したのは)3回だったと思います」

現在、多くの女性ファンから嫉妬の対象となっている張辛苑だが、
我らの男神を褒める事も忘れていません。

張辛苑「彼はとても(キスの)経験が豊富でした」

ファン垂涎モノの一部作品を見ましたが、
全部で15話しかないため、本当の満足には達してない様に感じます。
《不可思議的夏天》はまだ配信されていませんが、
早くも続編を望む声が絶え間なく続いているようです。
あなたのネット友達、iQIYIは、絶対に皆さんを満足させますよ。

スタッフ「本作は間違いなく続編が制作されます。この様な題材はネットユーザーが好む題材でもありますし、
もう一つ、ストーリー性がとても強く、絶える事の無い素材なのです。
大胆な発想や優れたストーリーがある限り、我々はいつまでも制作し続ける事ができるのです」

このドラマは8月8日明け方にiQIYIで配信され、
アメリカの動画サイトDramafever、日本の一大テレビ局であるフジテレビでも放送されます。

(2014年8月7日 iQIYIより)

ほか、完成披露試写会では「役柄のイメージが違う」という批判の声もあった模様。

『チケット争奪は1750倍!人気の古川雄輝、最新ドラマで「キャラ違う」とファン不満』

2014年8月8日、日中合作のインターネットドラマ「不可思議的夏天」に出演する俳優の古川雄輝について、
中国のファンから「キャラが違う」との声が上がっている。新浪が伝えた。

(中略)

古川は主役の入江直樹役を演じた昨年のドラマ「イタズラなKiss~Love in TOKYO」をきっかけに、
中国で大ブレーク。英語が堪能で高学歴という素顔が紹介されると、
「リアル入江君」として中国の若い女性のハートをガッチリつかんだ。

「行星的碎片」で演じるのは、ピザ店でバイトする日本人留学生役。
目が見えない女の子の幽霊に恋をするのだが、その優しくてソフトな「暖男(ほんわか男子)」の雰囲気に、
「キャラが違う」と一部のファンから意見が。

「イタキス」でヒロインをいたぶるサディスティックな魅力に取りつかれたファンは、
「早く帰って琴子をいじめて」「幽霊にいじめられる入江君はイヤだ」
「あのSぶりはどこへ行ったの?」と口々に不満を訴えている。

8月6日に北京で行われた「不可思議的夏天」の試写会では、
40人の観客席を7万人超のファンが争い、1750倍という驚きの争奪戦になった。
当日、会場付近には古川をひと目見ようと500人近いファンが殺到している。

(2014年8月10日 レコードチャイナより)

いよいよ配信開始

無事に完成披露試写会を終え、8月8日0時ぴったりに全話同時配信がスタート。

さらに同日からアメリカの動画配信サイト『Dramafever』で北中南米35ヶ国への配信が開始。
中国制作のネットドラマがアメリカで配信されるのは業界初の快挙だったとか。

配信元のiQIYIでは古川雄輝独占インタビューの配信やニュース動画で猛烈プッシュを行い、
さまざまなお膳立てを整えた上で、まさに鳴り物入りでの配信日となりました。

3月4日から8月6日。この5ヶ月間は、撮影が決定してから試写会を成功させるまでの日々でした!
フジテレビの久保田監督、iQIYIの美人スタッフに感謝!
今晩12時より、iQIYI、PPS影音で全国に独占配信です!

世にも妙な物語中国版《不可思議的夏天》は今夜、中・米で同時配信されます!

(2014年8月8日 桂延文 Weiboより)

《不可思議的夏天》全世界へ配信開始!

iQIYI、亜細亜伝媒、日本フジテレビの共同制作による
中国初の奇妙な自製ネットドラマ《不可思議的夏天》が全話配信されました!

古川雄輝、張辛苑、葉祖新、王伝君、龔蓓苾、王野らのアイドルやスターが、
15の不思議なストーリーを繰り広げ、あなたを不思議な夏へ連れて行きます!
急いで布団の中へ逃げ込みましょう!

(2014年8月8日 iQIYI Weiboより)

配信開始とその評判

配信開始後は日本でも多数報道され、めざましテレビ等でも取り上げられましたが、
予定されている日本での配信に関する情報は一切出てこず。

一方、肝心の中国での反応はというと──。

『iQIYIの自製ドラマ《不可思議的夏天》が、同種ドラマを超え、検索数で第一位に』

2014年は、動画サイトの自製ネットドラマが大ブレイクした年と言えるだろう。
iQIYIでは、近頃ドラマの自製に力を入れており、今年7月までのネット検索数は10億を突破している。

様々な内容の自製番組おかげで、iQIYIはユーザーの視聴時間の長さ等の各指標で、業界第一位を維持している。
そのうち《不可思議的夏天》は、百度(Baidu)ホットキーワードのネットドラマ部門で急上昇している。

(中略)

《不可思議的夏天》は8月8日にiQIYIで独占配信されており、
これは亜細亜伝媒、日本フジテレビとの共同制作で、古川雄輝、龔蓓苾、王野、張辛苑らが主演している。
ドラマの配信後から、検索数は高い位置を保っており、ネット上でホットな話題となっていた。

Baiduのネットドラマランキング8月11日のデータでは、
《不可思議的夏天》の急上昇率が1000%に達し、2位、3位の倍以上となった。
さらにその上昇スピードも、他の自製ドラマを遥かに超える結果となっている。

(2014年8月14日 TechWeb.comより)

検索急上昇率1000%という冗談みたいな数字を叩き出し
10日ほどで約3000万再生を記録するなど一応順調な滑り出しを見せる「不可思議的夏天」。

その間にも番組は韓国の番組見本市のほか、
カンヌ、シンガポールなどの国際テレビ祭への出品なども積極的に行っていきます。

スタッフはこの勢いで、目標の3億回再生に向かって突き進んでいきますが、
配信から1ヶ月後には他の人気番組と比べて、再生数の伸びが一気に悪くなっていきます。

さらに現地の「世にも」ファンからの評判も芳しく無く、配信から10ヶ月経っても再生数は6000万台。
続編シリーズや映画化等、当初明るい展望を描いていた本作の存在は夏と共にすっかり去ってしまったのでした……。

賞レースに続々ノミネート

すっかり勢いを落としてしまった「不可思議的夏天」でしたが、
年末辺りからじわじわと再び話題が戻ってきます。そう、賞レースのシーズンがやってきたのです。

まず12月6日の「第4回IQIYI AWARD」にて古川さんがアジア人気俳優賞を、
そしてフジテレビがアジアベストパートナー賞を受賞。
さらにニューヨーク・フェスティバル TV&フィルムアワーズではファイナリスト入賞、
バンフ・メディア・フェスティバルのロッキー賞メロドラマ部門にノミネート、
アジア・テレビジョン・アワードの最優秀デジタルフィクション&ノンフィクション作品賞ノミネートなど、
中国での低迷に反し、目覚ましい結果を見せるのでした。

ニューヨーク・フェスティバルの国際TV&フィルムアワーズ2015が、
2015年4月14日にラスベガスのNAB Showで開催され、フジテレビの2番組が銅賞を受賞、
5番組がファイナリスト入賞という大変嬉しい発表がもたらされました。

(中略)

《ファイナリスト入賞》

・勘三郎 最期の言葉
・TOKYO WONDER PLANET ~わたしの知らない ワタシの街~
・8.12日航機墜落 30回目の夏 生存者が今明かす“32分間の闘い”
・リーガル・ハイ 第2シリーズ
不可思議的夏天

全ファイナリスト進出作と今年の受賞作品、本当におめでとう!

(2015年4月15日 フジテレビ 英語版Facebookより)

そして日本へ

配信から約1年が経過し、世にもが25周年を迎えた2015年の7月1日。
ようやくフジテレビオンデマンド(FOD)にて日本語字幕版の配信が発表されることに。

さらに「不可思議的夏天」の4K版の配信も決定し、
ひかりTVでの先行配信も発表されました。(FODでの4K版配信は7月下旬開始)

『日本初登場!フジテレビ×iQIYIの共同制作ドラマ「不可思議的夏天」を4K映像で、
「ひかりTV」見放題作品として提供開始!』

株式会社NTTぷらら(本社:東京都豊島区、代表取締役社長:板東 浩二、以下 NTTぷらら)は、
スマートTVサービス「ひかりTV」のビデオサービスにおいて、株式会社フジテレビジョンが
中国の大手動画配信会社iQIYI(アイチーイー)と共同制作した
「不可思議的夏天(ブーカシーイーダーシャーティエン)」全15話を4K映像で、
2015年7月1日(水)より日本で初めて提供します。

本ドラマは2014年8月より、中国で先行してVOD提供が開始されており、
中国の若者に人気を博した話題の作品です。本ドラマのタイトル「不可思議的夏天」は
日本語で「不思議な夏」という意味で、北京を舞台に、
各話に登場する主人公たちが不可思議な世界へと迷いこんでいく、
1話完結のミステリー&ホラードラマです。
本ドラマの主演およびストーリーテラーとして登場するのは、
中国のSNSで100万人のフォロワーを突破し、
“男神”(訳:憧れの男性)と言われている日本の俳優、古川雄輝です。
そのほか、中国で人気と実力を兼ね備えた俳優陣が起用されています。

(2015年6月29日 NTTぷらら インフォメーションより)

そして現在

その後Dramafeverでの配信は、2018年10月16日のサイト閉鎖に伴い終了。
日中では現在でも配信が続けられていますが、これといった話題を聞くことはありません。

元々、ヒットに結びつきにくいオムニバスシリーズという点もあるでしょうが、
リメイク版を全話視聴した上で、個人的な見解を言わせてもらえれば、
失敗の要因は単純に、諸々が中途半端な所があげられるかもしれません。

例えば報道で『本家「世にも」のスタッフが制作』と宣伝されていたものの、
番組経験者はカメラマンや照明等が4人、音楽担当1人、1話だけ採用されたことのある脚本家が1人の6人のみ。
本作のプロデュースとメインディレクターを務めた久保田監督も、番組への参加経験は一切無しです。
そのため、番組のコンセプトやノウハウを理解する人間が制作の中心に1人もいないというのが実情。

完全にフジ主導での企画だったせいもあると思いますが、「世にも」の根幹は主に共同テレビのスタッフなので、
せめて小椋久雄プロデューサーをブレーンに据えるくらいはしてもよかったんじゃないかなと…。

もう一つ古川雄輝さん人気にあやかりすぎていた点。
最初こそ大きな評判を呼んだものの、人気の要因となったドSキャラとは異なるキャラ設定や、
ストーリーテラーのポジションでありながら、これといった特徴のない存在に留まっていること。
(作品内容を語ることもせず、後半の作品では台詞や映像を使いまわす等々……)

これら古川さんのファンだけでなく、現地世にもファンさえも引きつけようとしたはずが、
結局それぞれの部分が中途半端だった結果、作品自体もパッとしないものが出来上がったような気がします。
(もちろん中には佳作と呼べる作品もいくつかありますが……)

輝かしい展望を語っていた「不可思議的夏天」はワンシリーズのみで終わることとなりましたが、
日中合作という「世にも」にとっても、日本のテレビ業界にとっても初の試みだったこのプロジェクトの意義は、
番組にとって多少なりとも大きかったと思いたいもの。そしていつかまたリメイク版が誕生する際は、
これを教訓に、再び中国ファンを納得させるリメイク版が作られることを願いたいですね。

脚注

※1:ユーシャンロースーと読み、四川料理のひとつ。「魚料理風豚肉の細切り炒め」の意。

※2:正しくは24年。香港でも公開された劇場版の制作年である2000年からカウントしてしまったものと思われる。

※3:「すみません」の意。

※4:中国での「世にも妙な物語」の略称。