「映画の特別編」概要
1990年より放送を開始した世にも奇妙な物語が2000年に放送10周年を迎えました。
それを記念して映画化される事が決定し、製作されたのが「映画の特別編」です。
落合正幸、星護、鈴木雅之、小椋久雄、番組を代表する4人の演出家が、
テレビ版のリメイクも考慮に入れながら考案されたプロットの中から選ばれた4作品を映画化しました。
制作費10億円に対し興行収入は8億円。2000年度の邦画では19位と決して成功とは言えませんでしたが、
その後、香港や韓国でも公開され番組の知名度を上げ、海外のファンを作る要因にもなりました。
制作発表
番組が10周年を迎えた2000年。
春の特別編のED後に劇場版の制作が告知され初めて映画の特別編の情報が明るみに出ました。
『放送不可的映像超満載』との事でしたが、実際の所『雪山』の一部シーンくらいだったような……?



広報記事
『世にも奇妙な物語 映画の特別編』
「奇妙」の最初の10年が過ぎた2000年秋、
実現不可能だった4つのエピソードが、スクリーンに登場する。
「世にも奇妙な物語」がフジテレビで放送を開始したのは1990年4月だった。
それから10年、ついに「映画の特別編」の劇場公開が決定した。
「映画の特別編」を監督するのは、傑出した才能で90年代のドラマ、映画を常に斬新にリードしてきた4人
(落合正幸、星護、鈴木雅之、小椋久雄)。
「奇妙」10年の歴史の中で、実現不可能だったエピソードの映像化に挑む──
あまりにショッキングなホラー描写ゆえにテレビでは制作できなかった「雪山」。
膨大なスケールと予算でついに撮影に至らなかった「チェス」。
「奇妙」史上初の本格派時代劇「携帯忠臣蔵」。
脚本を練りに練った最高のラブストーリー「結婚シミュレーター」
─4人の監督がそれぞれの得意ジャンルで、25分(※1)の奇妙な世界をスクリーン・サイズで創造する。
(広報資料より)
『世にも奇妙な物語 映画の特別編 イントロダクション』
1990年4月、「世にも奇妙な物語」がフジテレビで放送を開始した。
それから10年、ついに「映画の特別編」の劇場公開が決定した。
'89年に深夜帯で「奇妙な出来事」という30分番組が、若者の熱狂的な支持を得ていた。
翌年タイトルを「世にも奇妙な物語」と改め、ゴールデンタイムに時間帯を移しての放送が開始された。
1時間の放送枠に、正味15分の3本立て。いまや知らぬ者はいない あのテーマ曲と共に、
ストーリー・テラーとしてタモリが登場する。
内容はホラーあり、ラブストーリーあり、SFあり、感動あり。
共通するのは“奇妙”というキーワード。 現在まで続くスタイルだ。
平均視聴率は20%を越え、半年の放送を終えると'91年から第2シリーズ、'92年には第3シリーズが放送された。
放送回数は70回に及び、210話が作られた(※2)。
レギュラーシリーズと併行する形で2時間のスペシャルも開始された。
期末、期首、正月などの特別枠で放送、2000年3月の放送まで、合計26回、124話(※3)が製作された。
平均視聴率も常に20%を越えている。また再放送されても常に高視聴率をマークする。
数多いフジテレビ製作の番組の中でも、最も長期に亘り、最も支持されているソフトといえる。
そしてこのシリーズで、現在、テレビ・映画・舞台の第一線で活躍する監督・脚本家・俳優たちが次々に登場。
北川悦吏子、三谷幸喜、岩井俊二、飯田譲治、君塚良一、戸田山雅司……といったそうそうたる顔ぶれが
「奇妙」の10年の歴史を創り上げてきたといえる。
2000年、長年テレビシリーズを手がけてきたプロデューサーたち
(フジテレビ小牧次郎、石原隆 共同テレビ 岩田祐二、井口喜一)は映画化を決定する。
監督には「奇妙」を代表する4人のディレクターがあたり、
テレビでは実現不可能だったジャンル、エピソードを映画化することが即座に決まった。
「映画の特別編」を監督するのは、その中でも傑出した才能で
'90年代のドラマ、映画を常に斬新にリードしてきた4人だ。
小椋久雄(「ショカツ」「コーチ」「ニュースの女」)、
落合正幸(映画「パラサイト・イヴ」「催眠」)、
鈴木雅之(「ショムニ」「GTO」「王様のレストラン」)、
星護(「古畑任三郎」「いいひと。」「ソムリエ」)
───連続ドラマの演出と並行し、「奇妙」でも“傑作”と呼ばれる作品を手がけてきた面々である。
プロデューサーと監督たちが選んだ作品は、テレビシリーズの「奇妙」らしさを継承しつつ、
映画でしか成立し得ない、全く違うジャンルの4作品となった───
あまりにショッキングなホラー描写ゆえに製作できなかった「雪山」。
膨大なスケールと予算でついに撮影に至らなかった「チェス」。
「奇妙」史上初の本格時代劇「携帯忠臣蔵」(脚本 君塚良一「踊る大捜査線」)。
脚本を練りに練ったラブストーリー「結婚シミュレーター」
───4人の俊英ディレクターは、それぞれの得意ジャンルの脚本を得、
映画界の実力派をスタッフに迎え、25分の奇妙な世界をスクリーン・サイズで創造する。
「奇妙」の最初の10年が過ぎた2000年秋、奇妙な現象が映画館を侵食する……
(劇場版公式サイトより)
『世にも奇妙な物語 イントロダクション』
「世にも奇妙な物語」が初めてフジテレビで放送されたのが1990年4月19日。
それは、(その時には多くの人が気づいてはいなかったにせよ、)
テレビジョンというメディアにとって「事件」でした。
その前年に深夜でひっそりと「奇妙な出来事」としてスタートし、
一部の若者達に熱狂的に受け入れられたこの番組は、
日本のテレビの唯一のメインストリームであったゴールデンタイムでは、
ナイターシーズンの単なる穴埋め企画としてはじまったのです。
企画した私たちは必死でした。社内はとても冷ややかでしたから。
日本で一番ストーリーテラーにふさわしいのはタモリさんです。
こんなダメモトのお願いはありませんでした。信じられないことに、快諾してくれました。
プロット集めがはじまりました。
1000本に届こうというプロットを、プロデューサー、監督、脚本家たちが、
お互いのプライドをズタズタにする形で議論していきました。
数人が席を立ちました。帰って来ることはありませんでした。
撮影。オムニバスはそれぞれの作品が短くても
普通の単発ドラマ並みにお金と手間がかかります。無謀でした。
放送当日。8時の時報と共にブラウン管に映し出されたのは横一列に並んだ4個の電球(※4)でした。
ナレーション「この電球の内一つをじっと見つめて下さい。」(※5)
視聴者の内6割は右から二つ目の電球が破裂しました。
その直後、あのメロディーと共に、あのオールCGのオープニングがはじまったのです。
あれから10年。レギュラーでの放送本数70本(210話)(※6)。
その後を引き継いだスペシャル26本(124話(※7))。共にフジテレビで最大です。
再放送の回数も限りありません。フジテレビは節目ごとにこの「奇妙」を放送してきました。
この番組に関わった監督たちはその後のフジテレビの連続ドラマ黄金時代を完全に担いました。
中心だった制作プロダクションの共同テレビは日本を代表するドラマ制作会社になりました。
書いてくれた脚本家たちは全局のドラマを制覇しました。
日本中の役者たちが出てくれました。本当に、出ていない人を探すのが難しい。
そう。いつのまにか、フジテレビを代表する番組となっていたのです。
この「世にも奇妙な物語」を映画にします。
「ビッグスクリーンの今までにない使い方。」
これが今回の我々の、唯一のテーマです。
(番組公式サイトより)
主な出来事
日時 | 出来事 |
---|---|
2000年 3月27日 |
春の特別編内で映画化発表 |
4月19日 | 世にも奇妙な物語 放送10周年 |
6月16日 ~ 6月29日 |
「雪山」撮影 |
7月7日 ~ 7月24日 |
「チェス」撮影 |
7月25日 ~ 8月6日 |
「携帯忠臣蔵」撮影 |
8月5日 ~ 8月15日 |
「結婚シミュレーター」撮影 |
8月16日 ~ 8月18日 |
「ストーリーテラー」撮影 |
10月4日 | 秋の特別編「さとるの化物」に 「雪山」の矢田&中村がゲスト出演 |
10月15日 | 映画の特別編 完成 |
10月17日 | 東京国際フォーラムで 完成披露試写会を開催 |
10月24日 | ノベライズ本発売 |
10月26日 | ロンドンでプレミア上映 |
10月29日 | 第13回東京国際映画祭 特別招待作品として上映 |
11月3日 | 映画の特別編 封切 |
11月10日 | コミカライズ本発売 |
2001年 1月28日 |
ジュラルメール・ファンタスティック映画祭に出品、 国際批評家賞を受賞 |
3月29日 | 香港で封切 |
4月25日 | ビデオレンタル開始 |
5月1日 | DVD発売 |
7月~8月 | ファンタジーフィルムフェスタに出品。 ドイツ6箇所での上映 |
2002年 3月10日 |
マラガ国際ファンタスティック映画祭に出品。 特殊効果賞を受賞 |
2003年 2月21日 |
韓国で封切 |
6月18日 | DVD再販版発売 |
7月12日 | ゴールデンシアター枠で 地上波初放送 |
11月19日 | DVD再販版2発売 |
興行成績
国内週末興行成績【銀座・新宿・渋谷地区代表館集計】
(興行通信社調べ)
週 | 順位 | 人数 |
---|---|---|
第1週 | 5位 | 5137人 |
第2週 | 6位 | 4241人 |
第3週 | 7位 | 3151人 |
第4週 | 9位 | 2176人 |
第5週 | 10位 | 1771人 |
映画の特別編 制作スタッフ
製作 | 宮内正喜 |
---|---|
製作統括 | 島谷能成 高野力 武政克彦 市村佳生 豊忠雄 |
企画 | 河村雄太郎 石丸省一郎 植原正人 |
プロデューサー | 小牧次郎 石原隆 岩田祐二 井口喜一 |
アソシエイト・ プロデューサー |
瀧山麻土香 関口大輔 |
ライン・プロデューサー | 廣瀬雄 |
テーマ音楽 | 蓜島邦明 |
メインタイトルロゴ | 岩崎光明 |
字幕デザイン | 竹内秀樹 西内久美子 尾上由香 |
キャスティング | 新江佳子 |
スチール | チャールズ村上 |
スチール応援 | 宮田薫 |
車輌 | 奥谷章夫 林吉文 清水昭彦 鈴木義隆 伊藤省一 松木金光 吉田俊一 |
編集スタッフ | |
フィルム編集 | 日下部元孝 |
ネガ編集 | 雑賀道子 |
インフェルノオペレーター | 青山洋詠 |
編集助手 | 柴田泰介 和田至亮 |
タイミング | 大見正晴 小椋俊一 |
オプチカル | 金子鉄男 |
フィルムi/o | 本間政弘 山井哲也 天満屋祐介 |
コードリンク・テレシネ | 田中基 関口正人 |
テクニカル・ コーディネーター |
金子俊夫 竹谷卓郎 |
デジタル合成 | 石田延也 |
マットペイント | 鈴木等 |
CGスタッフ | |
テクニカルディレクター | 田口健太郎 |
デジタルコンポジター | 渋谷紀世子 |
3DCGアーティスト | 松原正一 高橋正紀 松本圭 |
システムエンジニア | 早川胤男 |
デジタルペインター | 肥田竜二 |
フジテレビCGセンター | 近藤研策 山﨑吉広 小幡英雄 秋里直樹 徳永晶子 森宮裕 佐藤英子 松田幸子 高柳仁 佐久間達也 野原大基 小泉真魚 |
特殊造形 | 藤好信暁 中岡健一郎 松永朗美 木村歌子 今田まり 安田まさみ 中村光一 佐野雄 木幡太一 |
録音スタジオスタッフ | |
ダビング | 加藤大和 大野誠 |
リーレコ | 神保小四郎 宇田川章 |
デジタル光学録音 | 西尾昇 |
選曲 | 浅梨なおこ |
音響効果 | 渡部健一 |
効果助手 | 早川隆彦 |
ドルビーフィルム・ コンサルタント |
森幹生 河東努 |
レコーディングスタッフ | |
オーケストレーター | 照屋宗夫 |
ミキサー | 沖津徹 |
シンセプログラム | 矢田部正 |
アシスタントエンジニア | 阿部利幸 |
和太鼓 | 祭座 |
音楽コーディネート | 桑名裕子 岩崎俊郎 荒木浩三 |
宣伝スタッフ | |
宣伝プロデューサー | 市川南 上田太地 |
パブリシティ担当 | 上田美和子 引間徳幸 今村眞治 |
メイキング撮影 | 河合輝久 岡本明男 三浦修 |
ホームペイジ担当 | 月原一浩 笹部晃秀 中島有美 岩井美香 月原恵美 |
撮影協力 | 株式会社エイブル 川崎チネチッタ クラブチッタ川崎 カフェ・ミケランジェロ piacere 福家書店 フォレスト・イン昭和館 |
美術協力 | Nikon SUNPAK SAKURA 日本遊戯玩具株式会社 ニチユー株式会社 にっこり補聴器屋さん 大塚製靴株式会社 PRIMERA Charmant SHARP NOCE 日本光電 People LONDON HOUSE REMAKEY T.K TAKAKO.K MAX FACTOR |
衣裳協力 | NyMA ラブエル R2D ミズワン 青山 伊万里 Y's for living SCOOP MAN KID BLUE Right-on im product MEN INOUE SACS MARGARET HOWELL elegance WATABE WEDDING rev k shop renoma LAUREN HILLS MOGA BIGI Ciel de mai VENDOME AOYAMA COACH 創作屋 |
協力 | NACイメージテクノロジー DOLBY DIGITAL日本照明 Kodak 京映アーツ スマート・エックス ビデオフォーカス IMAGICA 日活撮影所 東宝コスチューム カースタントTA・KA テクノクラフト バスク エヌケイ特機 アトリエカオス セレソンアート工房 ステップ シミズ舞台工芸 工房キコ ワインドアップ 遊 吉川事務所 FLT 特殊効果亀甲船 白組 ドルフィンズ カラーテック フェイス音楽出版 東洋音響カモメ ベイシス マリンポスト フジパシフィック音楽出版 JFCT イソップ しゃばだば座 ゼニス ジャパンファッション スカーフェイス テアトルアカデミー トライアルプロダクション メイコーポレーション ラッキーリバー 古賀プロダクション 代々木アニメーション 放映プロジェクト 優企画 麗タレントプロ ホテル・ツインズ東京調布 ARRIFLEX 535 |
制作プロダクション | 共同テレビ |
製作 | フジテレビジョン 東宝 ポニーキャニオン IMAGICA 共同テレビジョン 日活 |
映画の特別編 DVDスタッフ
プロデューサー | 井口喜一 (共同テレビジョン) 廣瀬雄 (アットムービー・ジャパン) 瀧山麻土香 (フジテレビジョン) 関口大輔 (フジテレビジョン) |
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企画・制作 | 棚橋裕之 (ポニーキャニオン) |
静止画・ ジャケットデザイン |
高尾裕司 (スタッフコミュニケイション) |
動画メニュー制作 | 佐藤克己 (ポニーキャニオンエンタープライズ) 伊藤淳二 (ウエストレイクスタジオ) 村田信男 (マーメイドフィルム) |
編集 | 今井敏明 (ウエストレイクスタジオ) 伊東美樹 (ウエストレイクスタジオ) |
MA | 西谷泰之 (ウエストレイクスタジオ) 藤原俊史 (ウエストレイクスタジオ) |
オーサリング | 小川浩司 (ポニーキャニオンエンタープライズ) |
英語字幕翻訳 | AYA FUTAMI KENNEDY TAYLOR |
英語字幕制作 | 熊谷真弓 (アウラ) 愛知由紀子 (アウラ) |
セールス・プランナー | 中村均 (ポニーキャニオン) 太田潤一郎 (ポニーキャニオン) 菊池貞和 (ポニーキャニオン) |
宣伝 | 鈴木伸明 (ポニーキャニオン) |
協力 | 江崎仁美 安藤聡 田畑宏恵 |
メイキング制作 | |
撮影 | 藤石修 (J.S.C.) |
編集 | 深沢佳文 |
ディレクター | 廣瀬雄 (アットムービー・ジャパン) |
協力会社 | アットムービー・ジャパン スタッフコミュニケイション バスク アウラ ウエストレイクスタジオ 日活 東宝 東宝アド イマジカ 共同テレビジョン |
ディレクターズ・カットの特別編 スタッフ
「雪山」ディレクターズ・カット版 制作スタッフ | |
編集 | 田口拓也 |
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ノンリニア編集 | 浅沼美奈子 |
ライン編集 | 大方泉 |
選曲 | 志田博英 |
音響効果 | 小川高松 |
ミキサー | 大川正義 |
協力 | バスク ワインドアップ 日活スタジオセンター (株)イディオム スタジオプライムミックス |
監督 | 落合正幸 |
「携帯忠臣蔵」ディレクターズ・カット版 制作スタッフ | |
編集 | 田口拓也 |
ノンリニア編集 | 田口拓也 磯部由美子 |
選曲 | 浅梨なおこ |
音響効果 | 渡部健一 |
ダビング | 大野誠 |
技術協力 | バスク 日活スタジオセンター 東洋音響カモメ |
監督 | 鈴木雅之 |
ディレクターズ・カット版 DVD制作スタッフ | |
プロデューサー | 井口喜一 (共同テレビジョン) 廣瀬雄 (アットムービー・ジャパン) 瀧山麻土香 (フジテレビジョン) 関口大輔 (フジテレビジョン) |
企画・制作 | 棚橋裕之 (ポニーキャニオン) |
静止画・ ジャケットデザイン |
高尾裕司 (スタッフコミュニケイション) |
オーサリング | 小川浩司 (ポニーキャニオンエンタープライズ) |
協力 | 江崎仁美 安藤聡 田畑宏恵 |
協力会社 | アットムービー・ジャパン スタッフコミュニケイション バスク イマジカ 共同テレビジョン |