Commentary

『スケールの大きさゆえＴＶでは実現できなった企画』である「チェス」

脚本は「恐竜はどこへ行ったのか？」「壁の小説」の中村樹基が、脚本兼演出は番組で独特の映像美を作りあげている星護が担当。

「人は見えない何者かに操られているのではないか」というテーマを好む星監督。
そのテーマとチェスがピッタリ合うと言う所からこのストーリーが作られた。チェスを知らないものの「白と黒のデザインに惹かれていた」らしく、脚本の製作段階でチェス盤を毎晩見ていたと言うほどの惹かれ様だったという。

「現実的な風景は避け、人工的で幾何学的な風景を探したい」という思いから、入念にロケハンを繰り返すほど、撮影場所には相当こだわったほか、監督自身で何枚ものイメージイラストを描き、美術スタッフに渡していた。

さらに、音楽にもこだわり、秒単位で絵に合わせながら生演奏で録音していった。
劇中で印象的な「チェスの歌」の歌詞も監督自身の作。その歌詞は「サスシスエスチェス」で、意味はなく古代語のイメージで考えたそうだ。

また、韓国で上映された際は、表現の問題からこの作品がカットされてしまい、3話オムニバスとして公開。後にDVD版の特典映像として収録された。